モスクワ国際映画祭は、1959年に始まり、奇数年ごとに開催されてきました。
社会主義政権の時代は、国威発揚の場として国家予算が惜しげもなく投入され、その規模は他の国際映画祭の追従を許さない自他ともに認める世界最大の映画祭でした。会場も共産党大会の会場であったクレムリン宮殿大ホールなどが使われ、自由主義諸国からも大物スター、映画人が大挙参加して、豪華絢爛をほこりました。第1回のエリザベス・テーラーとジーナ・ロロブロジタが同じドレスを着用して舞台挨拶に立っため、デザイナーが訴えられた事件は、今日でも語り草となっています。
政権の交代後はご多分に漏れず、民間のスポンサーの支援に頼ることとなって、スケールの大きさはなくなったもののモスクワの夏を彩るイベントとして内外から親しまれています。
数えて、今年は21回目。実行委員長にニキータ・ミハルコフ監督を迎え、10日間で300本もの映画が上映されるなど、国際映画祭として面目躍如たる映画祭となりました。
今回の映画祭では、コンペティション・プログラムに加え、パノラマとして"The
Crossroads of ASIA" "War And Peace
in the Balcans" "Latin American
Passions" "Ravival of the Italian
Cinema?" "8 1/2" "New,New
Waves" "Film Museum" "The
Only Chance" などの企画部門が設けられました。
また、回顧上映や"The 20th Century.Epilogue"と題したニュース・ドキュメンタリー映画の連続上映会、新作ロシア映画、ヤング・シネマ・フォーラムなど政治と第三世界を取り上げてきたモスクワ映画祭の伝統を受け継いだ充実したプログラムとなりました。
オープニングは、イタリアのマルコ・ベロッキオ監督の新作
"La Balia"。
コンペティション参加作品は、以下の通りです。
アイスランド − Танец
THE DANCE(1998/87min/35mm/Color)
監督:AGUST GUDMUNDSSON
アメリカ − Гиневра
GUINEVERE(1999/107min/35mm/Color)
監督:AUDREY WELLS
イタリア − Все уже решено
OUTLAW!(1999/95min/35mm/Color)
監督:ENZO MONTELEONE
− Грязное белье
DIRTY LINEN(1998/110min/35mm/Color)
監督:MARIO MONICELLI
− Кормилица
オーストラリア − Страсть
PASSION(1999/108min/35mm/Color)
監督:PETER DUNCAN
ギリシャ − Затемнение
BLACK OUT(1998/160min/35mm/Color)
監督:MENELAOS KARAMAGHIOLIS
スペイン − Час храбрецов
A TIME FOR DEFIANCE(1998/117min/35mm/Color)
監督:ANTONIO MERCERO
ハンガリー − 6 : 3(1998/90min/35mm/Color)
監督:PETER TIMAR
メキシコ・スペイン・アルゼンチン − Сладкий
запахсмерти
A SWEET SCENT OF DEATH(1998/98min/35mm/Color)
監督:GABRIEL RETES
フィリッピン − Бумажный змей
THE KITE(1998/86min/35mm/Color)
監督:GIL M.PORTES
フィンランド − Засада
AMBUSH(1999/125min/35mm/Color)
監督:OLLI SAARELA
ブラジル − Путешественник
THE TRAVELLER(1999/107min/35mm/Color)
監督:PAOLO CEZAR SARACENI
フランス − Дилетантка
LA DILETTANTE(1999/118min/35mm/Color)
監督:PASCAL THOMAS
ベトナム − Отель-общежитие
THE BUILDING(1998/90min/35mm/Color)
監督:VIET LINH
香港 − Куда податься хорошему
человеку
WHERE A GOOD MAN GOES(1999/86min/35mm/Color)
監督:JOHNNIE TO
ロシア − Страсной Бульвар
STRASTNOY BOULEVARD(1998/108min/35mm/Color)
監督:VLADIMIR KHOTINENKO
− ФАРА
FARA(1999/89min/35mm/Color)
監督:ABAI KARPYKOV
日本 − Жажда жизни
生きたい(WILL TO LOVE ・1999/119min/35mm/Color)
監督:新藤兼人(大竹しのぶ主演)
日本映画「生きたい」がグランプリ受賞!
コンペティションは、結局、新藤兼人監督の「生きたい」がグランプリを受賞。 クロージングは、「スターウオーズ エピソード1」が上映され、無事、閉幕した。 当ホームページでは、これからモスクワ国際映画祭で上映されたロシア映画を順次紹介させていただきます。 どうぞご期待ください! |
モスクワ国際映画祭 ―後記―
寄稿:扇 千恵
アレクサンドル・タルコフスキーの妹マリーナ・タルコフスカヤが家族の想い出をつずった「鏡の破片」(デェダルス出版)が出版され、7月26日シネス・ミュウジアムにて出版記念の集会が催された。会場には150名以上のファンがつめかけ、まず彼女が出版にまつわる話をしたあと、サイン会が行われ(一冊60ルーブル約300円)タルコフスキーが映画大学の学生だった時制作した「殺人者」
(1956−57)と「本日、外出はなし」(1958)の2本が上映された。
マリーナはインタビュウーの中で「アンドレイは繊細でやさしく、しかも偉大な人間だった。彼の作品はこれからも行き続けると思う」と語った。
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||