ウラジオストック2007年9月(4)
扇 千恵
「落葉」 ロシア映画社・配給 今回の映画祭では桃井かおりの第一回監督作品『無花果の顔』が最優秀監督賞と最優秀女優賞を獲得した。彼女は仕事で映画祭には参加できなかったが、日本から審査委員として参加された小栗康平氏にとっては嬉しい受賞であっただろう。私はこの作品を見ていないし、この受賞について日本では殆ど取り上げられなかったのではないかと思われるが、本映画祭の存在が年を追うに従って大きなものになっているのだから、もっと紹介されてもいいのではないかと考える。

 さて、今回の映画祭の目玉の一つはオタール・イオセリアーニ作品回顧展だった。開会式では彼も壇上で挨拶をした。日本でも最近『ここに幸あり』が上映されたが、1966年の『落葉』以来、彼の作品を愛しているファンはいまだに絶えないようだ。上映された作品数は『ここに幸あり』を含めた4作品で数は少ないが、彼がこうしてロシアに招かれて、作品が歓迎される様子を目の当たりにするのは、私にとっても嬉しい出来事だった。

「ここに幸あり」 ビターズエンド・配給 ここで彼の挨拶を紹介しておこう。

 「様々な人たちが何かを発見するために様々なキーを使うものですが、しかしひとりひとりはたったひとつのキーしか使いません。その人の本性、教育、知性によってそのキーは彼の中に埋め込まれているのです。そこで映画を作るときには、自分と同じキーを持っている人々とだけ話しあうことができるのです。彼らとだけしか話し合うことはできません。映画の力を借りて人に教訓を与えようとしてはなりません。自分と同じ考え方をする人を励ますことしかできません。この世に同じ考え方をする人がいると知って、その人は孤独な心が少し癒されるでしょう。彼がそのように感じることで映画作りの仕事が無駄ではなかった、と思えるのです。」

 いま、私はタルコフスキーの「映画製作講義録」を読んでいるのだが、イオセリアーニとタルコフスキーの映画に対するとらえ方はほぼ共通しているようだ。彼らが互いに評価しあい、尊敬しあっていたことがこの短い挨拶の中に見てとれるのである。
▲舞台上で挨拶するイオセリアーニ監督
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ウラジオストック映画祭審査員を務めて…

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