今年も9月19日から25日まで開催されたウラジオストックの映画祭に参加した。2005年に審査員として招待されて以来、毎年ゲスト登録をして参加している。昨年は審査員として参加された桃井かおりさんとお近づきになれたことは大きな喜びだったのだが、集中して観た29本の最新ロシア映画は暴力、殺人を扱った映画が多くて印象に残る作品に出会えなかったため、報告書を書く気持ちになれなかった。でも今回は数本の良い作品に巡り合えたこともあり、是非報告させていただきたい。
何といっても今年の目玉はカトリーヌ・ドヌーブの登場だった。オープニングの冒頭、彼女の出演作品のカットがどんどん流されるので、まさか?と思ったのだが、彼女が舞台に上がった時は、思わず声を上げてしまった。まず、ロシア語で「スパシーバ(ありがとう)」と言った彼女は、少し太ってはいたものの相変わらず美しく、知性的な66歳のお姉さま。ウラジオストック在住のジャーナリストの話では、その後の記者会見でも彼女の受け答えは大変、当を得た理性的なものであったそうだ。オープニングパーティの席上では、映画祭の名誉会長である沿海州知事のダールキンが彼女を独り占めにしていたようだ。 |