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あの娘と自転者に乗って
БЕЩКЕМПЙР
The Adopted Son
配給:ビターズ・エンド
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/filmbook/bccl/bccl_top.html

[かいせつ]
1998年ロカルノ国際映画祭銀豹賞
1998年ユーラシア国際映画祭グランプリ
1998年ヴィエンナーレ国際映画祭観客賞
1998年東京国際映画祭アジア映画賞特別賞
1998年モントリオール国際映画祭正式出品作品
1999年サンダンス国際映画祭正式出品作品
1999年ロッテルダム国際映画祭正式出品作品

 1991年のソ連崩壊後に誕生したキルギス共和国にとって初の長編劇映画となった作品。 出生の悩みや、初々しい恋心など思春期の一人の少年の心の揺れを描いたみずみずしい青春映画の傑作である。
 監督のアクタン・アブディカリコフは、主役のベシュケンピール同様、養子として育った彼は、少年時代の体験や想い出を綴った。キルギスのどこか懐かしい元風景とも言える背景に描かれる素朴な手触りの映像が爽やかな感動を呼ぶ。
 パート・カラーの映像は、時にセピア色に、時に漆黒や緑色にと、微妙にモノクロの色を変える。そして、「苦しみや喜びをもたらすある種の事柄は、私たちの記憶の中にカラーで残っているということを確信する」というアブディカリコフ監督は、閃光のように唐突に鮮やかなカラーの画面を挿入する。監督自身の「感情の染み」が命ずるまま映画に鮮やかな色をつけたのだというが、それらは、鳥の声や、風や水の音など、自然に溢れる音や光と合わさり、絶妙なハーモニーを醸し出している。
 主人公ベシュケンピールを演じるのは、監督の実の息子ミルラン。子供とも大人とも呼べない時期を迎えた少年の複雑な心理や感情を、見事に表現している。その他のキャストも素人を起用し、彼らの日常の会話や言葉を取り入れることで、自然な演技を引き出すことに成功している。
 アクタン・アブディカリコフは、1957年にキルギスタンの村に生まれ、芸術学校を卒業後、キルギスタン撮影所で美術スタッフとなり後に美術監督となった。しかし、ソ連時代には、演出の経験はまったくなかった。
 ソビエト体制が揺らぎはじめ、それまでのような国家予算による莫大な製作費のかかる長編劇映画を製作することが困難になった、1990年に短編ドキュメンタリーを監督し、CFなども演出するようになった。93年には中編劇映画「ブランコ」を監督。11歳の少年の大人の世界への目覚めを描くこの作品は、ロカルノ、トリノなどの映画祭で受賞を果たし、アブディカリコフは一躍、国際的に注目されることになった。さらに97年の短編"Assan-Oussen"は、シエナ短編映画祭でグランプリを獲得した。これを契機にフランス側からの働きかけもあって、本作で長編映画でのデビューをすることとなった。
 キルギスでは、99年5月に本作が一般公開されたが、大ヒットを記録した。そして、映画の中のベシュケンピールの"おにぎりせんべい"のようなヘアスタイルや養子縁組みの儀式が流行するなど、社会現象を巻き起こしたという。
 またこの成功にちなみアブディカリコフ監督の主宰プロダクションはこの映画の現題"ベシュケンピール"と名乗ることになった。
 「キルギスはまだ不安定だが未来には希望がある。この映画もそのひとつのシンボル」と監督は語っている。

[あらすじ]
 キルギスの小さな農村。5人の老婆たちが、赤ん坊をゆりかごに乗せ悪霊を払う儀式を行っている。実は、この子供は養子で、この儀式は養子縁組を取り仕切るキルギスの昔からの風習でもある。この儀式は、ベシュケンピールと呼ばれ、養子となった子は成長するまで実名を呼ばず、ベシュケンピールと呼ばれることになる。
 それから数年。少年ベシュケンピールは、自分が養子であることを知らずに育った。近所に住む仲間のアディールやバキトと元気に遊び回り、いたずらばかりして厳格な父親に叱られる毎日である。
 そんな彼も、思春期を迎え、女の子にも興味を持つ年頃となった。農家の塀ごしに、上半身裸で日光浴をしているこの家の女性の巨大な胸を覗き込んだり、砂で女性の裸を形作ってドキドキしたりしている。
 村の少女アイヌーラは、ベシュケンピールにとってはいつも気になる存在で、やがて、ひそかに淡い恋心を抱くようになる。大人の男たちはお伴を従えて恋人の家に自転車で迎えに行き、その恋人と自転車に二人乗りをしてデートしている。ベシュケンピールもそれにあこがれるのだった。
 だが、彼とアイヌーラの親し気な様子に嫉妬したアディールが、出生の秘密を暴露してしまう。自分が実は養子であることを知り、心を痛めるベシュケンピール。彼は、仲間たちの自分に対する変化を感じ、孤立してしまう。
 そんな中、大好きな祖母の危篤の知らせが届く…。

[スタジオ/製作年] キルギス=キルギスフィルム
               仏=ノエ・プロダクション
1998年合作

[スタッフ]
製作:イリザイ・アリバエフ
    セドミール・コラール
脚本:アクタン・アブディカリコフ
    アヴタンディル・アディクロフ
    マラト・サルル
監督:アクタン・アブディカリコフ
撮影:ハッサン・キディリアレフ
編集:ティレク・マクベトワ

[キャスト]
ベシュケンピール:ミルラン・アブディカリコフ
アイヌーラ:アルビナ・イマスメワ
アディール:アディール・アビリカシモフ
バキト:バキト・ジルキエシェフ
ミルラン:ミルラン・シンコゾーエフ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / ヴィスタ(1.66) / パート・カラー
[上映時間] 1時間21分
[日本公開年・配給] 1999/10/2・ビターズ・エンド

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