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朝やけから朝やけまで

[第14回ソビエト映画祭(1976.11/26〜12/3)パンフレットより転載]

[かいせつ]

 ウラル地方のコルホーズの機械技師フョードル・ロジノフが主人公。映画はフョードルのある一日−−朝やけから朝やけまで−−を描いて、一人の市民の戦後30年の生活の軌跡まで浮かびあがらせようとする。
 フョードルは取り立てて云うべき才能があるのでもない平凡な男だが、戦争の時代を生き抜き、現代の平和な日々にも、あの戦いの苦しい時と変らぬ祖国愛や精神的な支えを持ち続けている。ガヴリール・エギアザロフ監督は「フョードルのような人々は"地の塩"と云うのだろうが、こうした世代が現代社会にあっても精神的には決して老いていないことをこの映画でわかってもらいたかった」と語っている。
 エギアザロフ監督は1916年生まれ。29年、アゼルバイジャン共和国のバクー撮影所に就職して映画の仕事を始めた。40年、国立映画大学撮影科を卒業してモスクワのゴリキースタジオのカメラマンとなり、以後撮影活動が続く。巨匠アレクサンドル・ドヴジェンコ監督の遺作『海の詩』も代表作の一つだが、72年、「白銀の戦場、スターリングラード攻防戦』で監督としてデビュー、同作品は恩師を記念するドヴジェンコ賞を受賞した。『朝やけから朝やけまで』は監督第二作である。
 フョードルには『ワーニャ伯父さん』でワッフルを演じたソビエト軍中央劇場のニコライ・パストゥーホフ、また『誓いの休暇』のジャンナ・プロホレンコ、『白銀の戦場、スターリングラード攻防戦』のボリス・トカレフらが出演しているほか、戦場に倒れた兵士を悼んで唱われる歌は詩人ブラト・オクジャワの作詞。

[あらすじ]
 8月の早朝、村の道をフョードルの娘ワーリャがさっそうと歩いていく……
 コルホーズの機械技師フョードル・ロジノフ家は人も羨むほどの仲むつまじい評判の一家だ。コルホーズで記録係をしているワーリャは父親ゆずりの働き者、姉のナージャもコルホーズで評判の娘だった。
 だがフョードルにもいろいろ心配事がある。戦争で受けた傷跡が疼いてあの頃のことを思い出すこともしばしばある。娘たちも気がかりの種だ。ワーリャの男友だちモーチャは別に悪い相手とは思わなかったが、フョードルのような年配者の眼からみれば、当世風と云うのかもしれないが、何やら"軽薄な男"にみえる。ナージャは夫と別れ、幼な息子のセリョージャを残したまま、村から出て行ってしまった。いったい娘はいつか自分の子供のところへ帰ってくるのだろうか。
 フョードルはあるいは娘たちの身辺のあれこれやコルホーズ員の不注意や失敗までをあまりに身近に考えすぎるのかもしれない。娘たちにしても自分の運命は自分で切り開いていくだろう。そんないつもと変らぬ日、豊かな収穫を祝うかのような機械の快地よい響きに耳を傾けていた時である。フョードルはかってかれが従軍していた連隊の仲間たちが集まるという報らせを受ける。
 ……数時間後の再会を前にスヴェルドロフスクヘの車中、フョードルははやる心を抑え、町に出たらナージャの近況を確かめるようにという妻の願いやみやげにオレンジをという孫との約束を忘れまいと自分に云いきかせる。
 だがフョードルが指定された"将校の家"に着いたのが遅かった。仲間はもうそこにいなかった。
 フョードルはやむなく、みやげのオレンジを買おうとレストランに立ち寄った。がそこで、やはり昔兵士だったという守衛と立ち話、思わず話がはずんでしまった。いや二人とも戦いに倒れた多くの戦友のことを思ったら、もう話はつきない。フョードルはついにレストランのホールのドアを押してみる。華やぐ音楽に合せてステップを踏む若者たちに混じって席を取る。やがてバンドのはげしいリズムの合間に、かれははっきりと銃声の音を聞いた。あの最後の戦いで死んだ機関銃手ワルターノフの顔が浮かんでくる……。
 若者で賑わうホールで中年のピアニストがフョードルに請われるままに、隠やかな声であの歌をうたい始める。苦しい戦いの道から再びわが家へ還らなかった人々に思いをこめるように。そしてこの歌がフョードルの心に何を思い出させたかはわからない。かれはふっとレストランから出ていく……。だがこのあと、まさに偶然と云うべきだろうが、フョードルは戦友たちと夢のような再会をした。
 ……やがて夏の早い朝が明けようとする頃、フョードルはナージャをともなって朝やけの道をわが家へ帰ってくる。

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1976年製作

[スタッフ]
監督:ガヴリール・エギアザロフ
脚本:ガヴリール・エギアザロフ
撮影:ピョートル・サトゥノフスキー
    ワレーリー・シュワロフ
音楽:ワレンチン・レワショフ
作詞:ブラト・オクジャワほか

[キャスト]
フョードル・ロジノフ:ニコライ・パストゥーホフ
フヨードルの妻:リュボーフィ・ソコローワ
モーチャ・ザハロフ:ボリス・トカレフ
ワーリャ:エフゲーニヤ・サベリニコワ
ナージャ:ジャンナ・プロホレンコ
ストゥコフスキー:イーゴリ・レドゴロフ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / カラー / 全10巻

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