[かいせつ]
原作は、イタリア人作家、カルロ・コッローディ(1826〜1890)の児童文学の名作「ピノキオの冒険」をソビエト文学の巨匠アレクセイ・トルストイが翻案した児童劇「ブラチーノの冒険」(1936年)。日本でも「金の鍵」の題で人形劇が上演されている。
アメリカで1940年に製作されたディズニー作品「ピノキオ」を多分に意識したと思われるような部分が随所に登場するが、時としてシュールとさえ思えるブラック・ユーモアや諧謔が顔を覗かせ"雪どけ"時代を感じさせる。また、背景までも全て動画で見せるなど、スリリングなまでにフルアニメーションで描こうとするスタッフの意欲がのぞく。
原作者のアレクセイ・トルストイ(1882〜1945)は、戦後のソビエト文壇の指導的立場にあった作家で、1924年のSF小説「アエリータ」は、同年、ソビエト初のSF映画としてヤーコフ・プロタザーノフ監督によって映画化された。代表作には長編歴史小説「ピョートル一世」(29-45)、長編「苦悩の中を行く」(20-41)がある。
共同監督のイワン・イワノフ=ワノ(1900〜1987)は、ソビエト・アニメの創始者ともいわれ、1947年の「せむしの仔馬」でカンヌ映画祭特別賞を受賞し、「ブラチーノの冒険」を製作した50年代には、「雪姫」「森は生きている」など数々の名作を残している。 |
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[あらすじ]
まきから生まれたブラチーノは、カルロじいさんに買ってもらった教科書を持って学校に出かけようとします。でも、途中で出会った人形劇がどうしても見たくなったブラチーノは、教科書を売り飛ばします。そして、その人形劇の舞台に上がって、お芝居をメチャクチャにしてしまったブラチーノは、劇団のカラバス団長を怒らせてしまい、肉を焼く火の中に放りこまれることになったのですが.. |
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[スタジオ/製作年] ソ連邦動画スタジオ・1959年製作 |
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[スタッフ]
原作:アレクセイ・トルストイ
脚本:N・エルドマン
L・トルスタヤ
監督:イワン・イワノフ=ワノ
D・ワンチェンコ |
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[キャスト]
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[ジャンル] 長編アニメーション
[サイズ] 35mm / スタンダード / カラー / 字幕なし
[上映時間] 1時間7分
[初出] 第8回にいがた国際映画祭[ファミリー・シアター]でNew弁士・藤川修士にて上映(1998/3/1 ユニゾンプラザ)
[VIDEO・DVDなど] VIDEO=IVCB-7003 金の鍵〜ブラチーノの冒険〜(字幕スーパー版)
アイ・ヴィー・シー/ビームエンタテインメント1998/07/25 |