「祖国大戦争」日本公開時(1966年)のプレスシート(NCC製作)より転載

監督ローマン・カルメンの横顔
 ソビエトの生んだ世界的な記録映画作家。 一九〇六年、オデッサに生まれ、一九二三年十七オで大衆雑誌「アガニョーク(灯)」の写真班に入り、すぐれた報導写真を数多く発表して注目されたが、間もなく映画カメラによる"報導写真"にひかれ、 ニュース映画「ソフキノ・ジュルナール」のカメラマンをふり出しに、記録映画界に入った。
 以後、カルメンはあるいは一カメラマンとして、あるいは記録映画のシナリオから編集・監督までを担当して、ソビエト社会主義の建設、世界各国の民族開放闘争、五年にわたるナチ・ドイツとの大祖国戦争などをカメラに収め、映画史にのこる貴重なドキュメンタリーをつぎつぎと発表してきた。
 なかでも有名なのは、スペイン内乱の現地から送ったニュース映画(一九三六年〜一九三七)、中国人民の抗日戦争を記録した『たたかう中国』(一九二八〜一九二九) 『中国にて』 (一九四一)、北氷洋八百日の漂流の記録『セドフ号の乗組員』(一九四〇)、大祖国戦争の前戦から送ったニュース映画(一九四一〜一九四五)、 ニュルンベルグ裁判をとらえた『諸国民の裁判』(一九四六)、海底油田の開発に奮闘する労働者をえがく『カスピ海の石油労働者』(一九五三) 『海の征服者』(一九五九)、ベトナム解放戦を記録した『勝利と独立への道』(一九五五)、ソビエト・シネラマの第一作『広きかな、わが国土』(一九五八)、キューバ革命の賛歌『燃え上る島キューバ』(一九六一)などである。カルメンははげしい戦闘のなかで、「二度と戦争を撮影しないですむように、平和を守ろう」という信念を固めた。長編記録映画『祖国大戦争』は、そのようなカルメンの信念とねがいをこめ、かれみずから撮影したフィルムをそのぼう大な記録から、そのすぐれたオ能とはげしい情熱を注ぎこんで完成した、世界的記録映画作家カルメンの総決算である。

「祖国大戦争」日本公開時(1966年)のプレスシート(NCC製作)より転載
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