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復活
ВОСКРЕСЕНИЕ

[「ソビエト映画の全貌91」パンフレットより転載]

[かいせつ]
1962年ロカルノ国際映画祭国際批評家連盟(最優秀女優賞)
トルストイ没後50周年記念作品

 レフ・トルストイが71才の年に発表したこの長編小説は、形式ばかり重んじる教会への批判、土地の私有権の放棄、裁判に対する疑問、自己犠牲を通しての幸福の追求などと言ったこの文豪の思想や哲学を伝える作品として有名である。カチューシャ役が小説の映画化の鍵を握ると言われていたが、当時モスクワ映画大学演劇科4年生のタマーラ・ショーミナが抜擢された。彼女はシヴェイツェル監督の要望に見事に応え、薄幸な少女が苦しみを乗り越えて目ざめてゆく大役を見事に演じ、1962年度映画雑誌の人気女優第1位に選ばれた。
 カチューシャの運命を狂わせ、堕落の道においやったものの、後に彼女への罪悪感から自ら許しを乞うネフリュードフ公爵に、その後、監督作品も手がけているエフゲニー・マトヴェーエフが扮し、貴族のエゴイズムとそれを克服しようとする人間の良心の葛藤を演じている。

[あらすじ]
 カチューシャはネフリュードフ公爵の伯母にあたる地主邸に仕えていた。その少女時代に、彼女はここで一夏を過した大学生ネフリュードフに淡い恋心をいだいた。だが、彼女が18歳の春、戦地へ出征の途中、同家に立ち寄ったネフリュードフは彼女を無理やりに肉欲のままに犯し、100ルーブル札を握らせて旅立っていった。かれの子供を身ごもって邸を追い出されたカチューシャは各地を転々とするうち、娼婦となり、生まれた子供も里子に出される途中で死亡する。そしてついには、金持ちの商人殺害の濡れ衣まで着せられ裁判にかけられてしまう。
 その法廷で偶然にも、陪審員として出席したネフリュードフと再会する。愕然とするネフリュードフ。だが、彼は己れの体面を重んずるあまり、彼女を擁護する発言ができない。シベリア流刑の判決が下った。彼は良心の苛責におののき、彼女に結婚を申しこむと、原審破棄のため奔走する。が、シベリアに向ったカチューシャは既に流刑の地で、新しい人生を生きようとしていたのである。

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1960〜1年製作

[スタッフ]
原作:レフ・トルストイ
脚本:エフゲニー・ガブリローヴィチ
    ミハイル・シヴェイツェル
監督:ミハイル・シヴェイツェル
撮影:エラ・サヴェーリエワ
美術:ダヴィド・ヴィニツキー
音楽:ゲオルギー・スヴィーリドフ

[キャスト]
カチューシャ:タマーラ・ショーミナ
ネフリュードフ:エフゲニー・マトヴェーエフ
裁判長:パーヴェル・マッサリスキー
シモンソン:V・グーセフ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / モノクロ
[上映時間] 2時間41分
[日本公開年・配給] 1965/3/13・ATG
[DVD・ビデオ] DVD=IVCF‐5001(発売元アイ・ヴィー・シー)

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