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冬のチェリー
ЗИМНЯЯ ВИШНЯ
WINTER CHERRY

[かいせつ]
1986年第7回マドリード国際映画祭最優秀女優賞(エレーナ・サフォーノワ)
 監督のイーゴリ・マスレンニコフは1931年生まれ。レニングラード大学在学中はジャーナリスト志望で、一時は新聞社に勤めていた。グリゴーリー・コージツェフ監督に師事して高等監督コースで学び、1967年よリレンフィルム・スタジオに入所。代表作には「センチメンタル・ロマンス」(1977)他があるが、人気番組「映画ファンのために」にしばしば登場するなどテレビの世界でも活躍。
 ウラジーミル・フルツキーは、ソ連映画界で最も著名な脚本家の一人。アニメーション「長靴をはいた犬」からSF映画「ピルクスの審問」に至るまで幅広いジャンルを手がけている。この二人は、これ迄にも何度かコンビを組んでいるが、最大のヒット作はテレビ映画「シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険」(1980−83)で、数百万人に及ぶ視聴者をブラウン管の前に釘付けにして話題となった。
 ヒロインのオリガを演じたエレーナ・サフォーノワは、「マダム・パタフライの帰還」(1983)のソローミヤ・クルシェリニツカヤ役で俄かに脚光を浴びた新進女優。繊細で表現豊かな演技をみせ、真実の愛と幸福を切望しながらも、子供を育てながら孤独に生きる現代女性をリアルに形象化して高い評価を受けた。
 また、兄ユーリー・ソローミンと並んで人気俳優のヴィターリー・ソローミン(「シベリアーダ」1979他)がワジームを演じている。

[あらすじ]
 オリガのアパート。二人は、そこで、いつものように逢瀬を重ねていた。男は帰ろうとして、ゆっくりと衣服を身に付けている。ワジームは妻帯者で、立派な家庭があった。一方、オリガには、隣室で眠っている、5歳になる息子アントンしかいなかった。
 同じアパートに住む女友達ワーリャのパーティーに招かれたオリガは、そこで、36歳で独身の社会学者ヴェニアミン、外国貿易省に勤めるエリート技師ゲルベルトと出会った。皆がお茶を飲んでいる時、家庭や結婚をめぐる議論が巻き起こり、オリガは「家庭とは故郷のごとき存在であるべきで、そうでなければ全く意味が無い」と発言する。
 翌朝、オリガが働く科学技術研究所の入口で、ヴェニアミンは単刀直人に彼女に結婚を申し込む。このプロポーズは余りに唐突だったので彼女は返答を避けた。
 そして、ワジームと過ごす週末。まるで、おとぎ話のように幸福な時間。湖畔の別荘での愛する人との心の通いあいと感動的なまでの心の高揚……。だが、不自然で不安定な二人の関係が根本から変わることはない。「一緒にいることが幸せならば、どうして、ずっ
と幸せであってはいけないの」とオリガは言う。"二重の生活"と云う問題を我が身から遠ざけてきたワジームは、その言葉を聞いた途端に表情を曇らせた。
 言いしれぬ孤独感に苛まれるオリガはヴェニアミンヘ電話をしてみた。喜ぴ勇んだ彼は早速、聞借人よろしく身のまわりのものき携えて彼女のアパートヘ乗り込んで乗る。しかし、オリガの提案する"契約"に基ずく同居生活は、ヴェニアミンが抱く"甘い同棲"のイメーシとは程遠いものだった。結局、意気消沈の彼は、すごすごと逃げだしてしまう。
 そんな折、オリガの前にゲルベルトが現れた。白いベンツを乗り回す彼は物腰も優雅で洗練されているし、アントンヘの配慮もおろそかにしない。結婚相手としては最適の男性に思える。
 ワジームは偶然にも、オリガとゲルベルトのデートを目撃してしまった。ついにワジームは、誰を、そして何を失おうとしているのかを悟ったようだ。ゲルベルトの手からオリガを取り戻した彼は、家庭を捨てることを約束し、愛を誓う。
 オリガの熱望するもの――社会的体面や体裁などを捨てて愛のために生きること―― それを男たちは理解したのだろうか……

[スタジオ/製作年] レンフィルム・1985年製作

[スタッフ]
脚本:ウラジーミル・ワルツキー
    VLADIMIR VALUTSKY
監督:イーゴリ・マスレンニコフ
    IGOR MASLENNIK0V
撮影:ユーリー・ヴェクスレル
    YURY VEKSLER
美術:ベラ・マネーヴィチ
    BELLA MANEVICH
音楽:ウラジーミル・ダシケーヴィチ
    VLADIMIR DASHKEVICH

[キャスト]
オリガ:エレーナ・サフォーノワ
0LGA:ELENASAFONOVA
ラリーサ:ニーナ・ルスラーノワ
LARISA:NINA RUSLANOVA
ワジーム:ヴィターリー・ソローミン
VADIM:VITALY SOLOMIN
ヴェニアミン:アレクサンドル・レニコフ
VENIAMIN:ALEKSANDR LENK0V
ゲルベルト:イヴァル・カルヌィン
GERBELT:IVAR KALNYN

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / カラー/スタンダード
[上映時間]
1時間30分
[日本公開年]
 1987/6/6 第19回ソビエト映画祭にて上映 東京・よみうりホール(6/10新潟市音楽文化会館・6/12広島市東区民文化センター)

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パンフレットソヴェート映画史−七つの時代
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