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[かいせつ]
 エイゼンシュテインの「戦艦ポチョムキン」と並んで、ソビエト映画史に大きな足跡を残した、プドフキン監督の長篇処女作。
 マクシム・ゴリキー原作の「母」は、20世紀初頭のロシアの労働者の闘争の中で革命理念に目ざめる母親像を描いて社会主義リアリズム文学の先駆とされたゴーリキーの代表作。ソビエトでは3回映画化されているが、第一次ロシア革命20周年記念に製作されたフセヴォロド・プドフキンのこの作品が最も有名である。
 プドフキンは、脚本担当のナターン・ザルヒと共に大胆な映画的再構成を試み、文芸作品の映像化に優れた先例を残した。
 また、当時、職業俳優を否定し、記録映画的方向を追求したいたセルゲイ・エイゼンシュテインとは対照的に、モクスワ芸術座の名優バラノフスカヤとバターロフを起用して、映画史上初めてリアリスティックな映画的演技をスクリーンに創出した。さらに、彼らの優れた演技力とダイナミックな群衆シーンのモンタージュを結びつけて、プドフキン独自の世界を作りあげた。劇映画的な『母』はより記録映画的な『戦艦ポチョムキン』(26)と並んで、ソビエト映画初期の代表作となったのである。
 なお女子学生を演じるアンナ・ゼムツォワはプドフキン夫人。監督自らも、主人公パーヴェルを逮捕する警官の役で出演している。また処女作『チェス狂』(25)以来の撮影監督アナトーリー・ゴロヴニャとは、エイゼンシュテインとエドゥアルド・テイッセの如き、名コンビとして映画史に名を残している。

■監督紹介■フセヴォロド・プドフキン
 1893年サラトフ生れ。1953年洗モスクワ大学で物理数学を専攻した。第一次大戦に召集され、1915年にドイツ軍の捕虜となるが、3年後に脱走、革命直後のモスクワに帰る。20年、国立映画専問学校に入り、ウラジーミル・ガルジン監督に学ぶが、22年よりレフ・クレショフ監督の実験工房に参加、両監督のもとで、俳優、脚本家、助監督、美術監督などを勤める。短篇喜劇映画『チェス狂』(25)が監督処女作、自らのモンタージュ論を実践した長篇第一作『母』で映画史上に不朽の名を残した。ほかに『聖ペテルブルグの最期』(27)『アジアの嵐』『ナヒーモフ提督』(46)『ワシーリー・ボルトニコフの帰還』(53)などの代表作があり、「映画俳優論」ほかの著作もある。

[あらすじ]
 20世紀初頭、革命前のロシア。貧しく苛酷な労働を強いられていた労働者の父ミハイルは、酒びたりの荒んだ生活をしている。そんな夫の前で、なすすべもない母は、ある時、息子パーヴェルが革命運動に参加していることに気づく。
 ある夜、酒代欲しさに柱時計を持ち出そうとして息子パーヴェルと衝突し、家を飛び出すと、また居酒屋へ向かった。その居酒屋で右翼暴力団からスト破りに誘われる。翌朝、工場でビラをまこうとするたちに暴力団が襲いかかる。乱闘の中でミハイルは死んでしまう。一方、パーヴェルは武器を隠し持っていたために逮捕される。
 裁判が開かれ、パーヴェルは懲役刑を宣告された。「真実はどこ!」−−悲痛な叫びを発する彼の母。だが、悲しみとみじめさに打ちひしがれていた彼女は、揺れ動く現実のなかで眼を覚まさせられ、生活が一変する。母は一歩一歩息子と同じ戦列を歩み始める。面会の日、彼女は同志からのメモをパーヴェルに渡す。母親に初めて微笑を返す息子。
 そしてメーデーの日。街の隅々から労働者たちがデモの隊列に加わる。そこには母の姿も見られた。一方その日、監獄の囚人たちも反抗に起き上った。多くは射殺されたが、パーヴェルは脱出に成功し、デモ隊と合流した。だが母と抱き合って再会を喜びあった瞬間、騎兵隊の一斉射撃が彼を撃ち倒す。母は投げ出された赤旗を掲げて、なおも前進する……

[スタジオ/製作年] メジラブポム・ルーシ 1926年製作
               (サウンド版68年製作)

[スタッフ]
原作:マクシム・ゴーリキー「母」
脚本:ナターン・ザルヒ
監督:フセヴォロド・プドフキン
撮影:アナトーリー・ゴロヴニャ
美術:セルゲイ・コズロフスキー
音楽(68年版):チーホン・フレンニコフ

[キャスト]
ニーロヴナ(母):ヴェーラ・パラノフスカヤ
パーヴェル(息子):ニコライ・パターロフ
ヴラーソフ(父)…アンドレイ・チスチャコフ
アンナ:アンナ・ゼムツォワ
ヴェソフシチコフ:イワン・コヴァル=サンボリスキー
警官:フセヴォロド・プドフキン

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / モノクロ / オリジナルはサイレント
[上映時間] 1時間26分(サウンド版・24駒/秒)
[VIDEOなど] VIDEO=IVCV-3020S(*アメリカで上映されたフィルムを使用)アイ・ヴィー・シー

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