■解説
少年パルチザンの目を通して戦争を描いた
「僕の村は戦場だった」(62年ベネチア映画祭
グランプリ)、15世紀前半に生きた聖像画家
ルブリョフの生涯を描いた「アンドレイ・ル
ブリョフ」(67年カンヌ映画祭国際批評家賞)、
ポーランドのスタニスワフ・レム原作のSF
映画「惑星ソラリス」(72年カンヌ映画祭審査
員特別賞)と寡作ながら、国際映画祭での連
続受賞をはたしてきたアンドレイ・タルコフ
スキー監督が、今、非常に私的なテーマにと
りくんだ。これまでの叙事詩的な世界から、
彼は一気に、主観的な詩の分野へと転じた。
「鏡」は、母に対する作者の心理、別れた
妻と息子との関係を描いた、タルコフスキー
の自伝的作品である。そして、この映画は、
作者の意識下の過去を現実と交錯させながら、
タルコフスキー独得の巧みな映像表現で、作
者の深層心理を鮮烈なイメージにして浮かび
あがらせている。
くわえて、1934年ソ連成層圏飛行、スペイン
戦争、第二次世界大戦、中国の文化大革命、
中ソ国境紛争(ダマンスキー事件)など、
数多くの記録フイルムの断片が挿入され、歴
史的現実が人々にもたらさずにはいない種々
な影響を暗示している。
撮影は、ウーニャ伯父さん」のゲオルギー・
レルベルグが、ロシアの自然を見事な映像で
とらえ、音楽は、「惑星ソラリス」のエ
ドウアルドーアルテミェフが、この映画でも
バッハを使用している。出演者は、母マリア
と妻ナタリアの二役を、来日したこともある
モスクワの人気舞台女優マルガリータ・テレ
ホワ、父親役にはモスクワドラマ劇場のオレー
グ・ヤンコフスキー、さらに、彼の息子フィ
リップ・ヤンコフスキーが、作者の幼年時代
を演じて親子共演し、アナトリー・ソロニー
ツィンやニコライ・グリニコといったタルコ
フスキー映画の常連が脇をかためている。
また、名優インノケンティースモクトゥノ
フスキーがナレーションを読んでいるほか、
監督官らが、著名な詩人である父、アルセニ
ー・タルコフスキーの詩を朗読している。
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