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かもめ
ЧАЙКА
Seagull

[かいせつ]
1974年シカゴ国際映画祭銀賞
 チェーホフの同名の戯曲の映画化。ここには19世紀末、帝政社会が崩壊する前夜、惰性と焦燥に生きるインテリゲンチャの精神的破綻が描かれている。そして、その中にあって一人、女優になることを夢みるニーナだけが未来を信じ、生きる希望を捨てていない。
 ニーナには「戦争と平和」(65)でデビューしたリュドミーラ・サヴェーリエワ、アルカージナにはタガンカ劇場のベテラン、アッラ・デミードワが扮するほか、いずれも舞台の名優を揃えてのキャスティングで、記録畑出身の監督は量感のある画面に仕立てている。
 ユーリー・カラシク監督は1923年生まれ、「7月6日」他の作品がある。監督は、「『かもめ』の主人公たちの精神の緊張感にはシェークスピアの悲劇の主人公に近いものがある。彼らの夢や希望は破減に瀕しているのに、彼ら自身はしばしばまるで殆んど喜劇の人物に見える。チェーホフが自分の戯曲を喜劇と呼んだだけのことはある。つまり、情熱的な精神の希求と人生の可能性の限界との矛盾をこの映画に描きたかった」と語っている。

[あらすじ]
 伯父の領地の別荘。小さな自然の湖と月の出を背景に、劇作家を志す、若きトレープレフが書いた戯曲が、隣の地主の娘ニーナによって演ぜられている。その芝居を、名の知れた女優でもある母アルカーディナや、彼女の愛人で著名な作家トリゴーリンらが寄り集って見ている。が、彼らは若者が書いた象徴主義的な戯曲を理解しようともせず、こきおろしたため、芝居は中止となる。
 有名な作家の前で恥をかかせられ、自殺を計るトレープレフ。一方、女優になることを夢みるニーナの燃える心は、トリゴーリンに惹かれるようになる。そして、ニーナは作家の子供まで生むが、二人の中は破局に至る。
 トリゴーリンに恋人を奪われて2年後、立ち直ったトレープレフはようやく雑誌に小説を載せる作家にまで成長し、田合廻りの女優として新たな人生を歩んでいたニーナと再会する……。が、過ぎ去った時は還らない……。その夜、トレープレフはピストル自殺を遂げる。

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1970年製作

[スタッフ]
原作:A・チエーホフ「かもめ」
脚本・監督:ユーリー・カラーシク
撮影:ミハイル・スースロフ
音楽:アルフレッド・シニートケ
美術:B・ブランク

[キャスト]
アルカーディナ:アッラ・デミードワ
ニーナ:リュドミーラ・サヴェーリエワ
トレープレフ:ウラジーミル・チェトヴェリコフ
トリゴーリン:ユーリー・ヤコヴレフ
ソーリン:ニコライ・プロートニコフ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm /カラー/シネマスコープ
[上映時間] 1時間40分
[日本公開年] 1974/11/12・ヘラルド(公開時の邦題"チェーホフのかもめ")

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パンフレットソヴェート映画史−七つの時代
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