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狩場の悲劇
ДРАМА НА ОХОТЕ

[かいせつ]
 劇作家アントン・チェーホフ(1860−1904)の唯一の長篇小説『狩場の悲劇』(1884)の映画化。原作は、ヨーロッパでは"チェーホフの探偵小説"として知られ、ハリウッドで映画化されたこともある。地方の田園生活を背景に、19歳の美しい娘をめぐって愛と犯罪が交錯する一種のサスペンス・ロマンの形式をとっており、その奥には叙情性豊かな短篇と戯曲で人間心理の微妙さを描いたチェーホフ独特の奥深い人間ドラマがうかがえる。
 監督は「ジプシーは空にきえる」「アンナ・パヴロワ」で知られるエミーリ・ロチャヌー。モスクワ郊外のワルェヴォにロケして古い牧歌的な情景を叙情豊かに再現し、加えてドラマの本質そのもので人間の苦悩を鮮やかにしている。
 ヒロインのオーレニカ役には、ヴォロネジ・バレエ学校の学生だったガリーナ・ベリャーエワが抜擢されて初々しい魅力を振りまいている。貴族社会に憧れ、男たちの欲望に翻弄されようとも、ただ、けなげに生きようとする平民出身の少女を演じている。

[あらすじ]
 物語は、カルネーエフ伯爵の荒れた領地で展開する。周囲には荒廃がただよい、人々は退屈な日々を送っている。繰り返されるもの憂げな酒宴。そんな明け暮れのある日、予審判事カムイシェフは、エメラルド色の木立の葉陰に、ブロンドの美しい娘オーレニカの姿を見る。彼女は、領地の森番である気のふれた父と共に暮らしていた。
 やがて、オーレニカは、財産目あてに、伯爵の執事で老いたウルベーニンと結婚する。婚礼の日。目に涙を溜めながら、祝いのダンスを踊るオーレニカ……ほかならぬこの祝宴の日、カムイシェフはオーレニカに愛を告白したのだ。この時から、オーレニカの悲劇は始まった。
 ウルベーニンとの愛のない生活はすぐにも破局、そしてオーレニカは無為な生活に明け暮れている伯爵カルネーエフと情事を重ねている……。数ケ月後、かつてカムイシェフがその美しい姿に魅せられた少女は、森で刺されて倒れているところを発見された。

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1978年製作

[スタッフ]
原作:アントン・チェーホフ
脚本・監督:エミーリ・ロチャヌー
撮影:A・ペトリツキ
音楽:エフゲーニー・ドガ

[キャスト]
オーレニカ:ガリーナ・ベリャーエワ
カムイシェフ:オレーグ・ヤンコフスキー
カルネーエフ:キリール・ラヴロフ
チナ:スヴェトラーナ・トマ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / カラー
[上映時間] 1時間40分

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