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呼応計画
ВСТРЕЧНЫЙ

[かいせつ]
 トーキー初期のソビエト映画を代表する傑作である。
 1930年代前半のソビエトは、工業化を目ざして策定した第1次5カ年計画の実行に邁進していた。この熱狂的でオプティミスティックな計画の超過遂行を目標に、労働者たちが繰り広げた社会主義下の競争をテーマにした映画で、1930年代の社会主義建設の断面を映す作品ともなっている。
 フリードリヒ・エルムレル監督が旧い世代を演ずる俳優たちを、セルゲイ・ユトケーヴィチ監督が若い俳優の演出にあたって、社会主義建設に燃える若い世代と旧世代の労働者の断絶も描かれている。特に若い世代の労働者が人間味ある形象で示され、また老労働者が新しい時代に応じた人物に生まれ変わっていくまでを、帝政ロシア時代からの監督で俳優でもあるウラジーミル・ガルジンが好演している。
 詩人ボリス・コロニコフの詞にドミトリー・ショスタコーヴィチが作曲した「呼応計画の歌」は、この映画のために作られたもので、当時の世相に受けて広く愛唱され、ソビエト・トーキー映画の最初のヒットソングとなった。


[あらすじ]
 第1次5カ年計画を早く遂行するため、レニングラードのある金属工場の労働者たちは“呼応計画”(国や党が策定した「計画」に対し、労働者が目標の達成のために自発的に立てる計画をこう呼んだ)を立てて、実施することになる。そのため、彼らは新しく強力なタービンを完成させねばならなかった。タービンの重要部品の一つを仕上げることを任されたのは老労働者バブチェンコの班だが、最初の試作は失敗する。これはバブチェンコの好きなウォッカが原因と取沙汰されたので、バブチェンコは翌朝、生まれて初めて妻に禁酒を宣言した。そして部品は作り直されたが、再ぴ不合格となる。今度は工作機械の方に問題があった。共産党委員会の書記フーシャは緊急会議を召集する……。
 だがついに、部品はバブチェンコらの熟練した労働者たちの力で作り出され、同時にかれら自らも若い労働者とともに新しい社会主義時代を生きる人間へと変貌していく。

[スタジオ/製作年] ロスフィルム・1932年製作


[スタッフ]
脚本:レオ・アルンシタム
     レオニード・リユバシェフスキー
    フリードリヒ・エルムレル
    セルゲイ・ユトケーヴィチ
監督:フリードリヒ・エルムレル
    セルゲイ・ユトケーヴィチ
撮影:アレクサンドル・ギンツブルグ
    ジョゼフ・マルトス
    ウラジーミル・ラポポルト
美術:ボリス・ドゥブロフスキー=エシケ
音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチ

[キャスト]
バブチェンコ:ウラジーミル・ガルジン
バブチーハ:マリア・プリュメンターリ=タマーリナ
カーチャ:タチヤーナ・グレーツカヤ
パーヴェル:アンドレイ・アプリコーソフ
ワーシャ:ボリス・チェーニン
技師スクヴォルツォフ:ボリス・ポスラフスキー

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / 白黒 / スタンダード
[上映時間]
  1時間50分
[日本公開年・配給] 
1934/3/1・日蘇商会

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パンフレットソヴェート映画史−七つの時代

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