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曠 野
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Step

[かいせつ]
 原作はチェーホフが、1888年、28歳の時に執筆した初の本格的な長編で、それまでの短編のユーモア作家としての人生と決別し、文学の本道を歩むことになった記念すべき小説である。小説は、チェーホフの故郷のタガンローグに旅して書き上げたもので、とりたてた筋はないが、感受性の強い少年の眼を通して、ロシアの広大な自然の美しさをあますところなく描きつくした情感細やかな自然描写はひときわ秀逸である。
 これは、自らも少年時代をタガンローグに送ったセルゲイ・ボンダルチュク監督が長い構想のすえ完成した作品で、チェーホフヘの深い傾倒と研究から生れた映画である。
 出演は、監督自らも荷馬車隊の馭者のひとりを演じているが、馭者デニースカには、当時、国立演劇大学4年のヴィクトル・ママーエフ、そして少年エゴールシカには主人公と同じ9オのモスクワの小学生オレーグ・クズネツォフが抜躍されている。

[あらすじ]
 暑い夏の日、少年エゴールシカは、伯父の毛皮商人クジミチョフや老神父と一緒に、古色蒼然たる馬車に乗り、故郷をあとにした。町で高い教育を身につけさせたいと考えた母親が、商いに出むく兄に、町に住む自分の友人のもとへ息子を送り届けてくれるよう頼んだのである。だが、少年はなぜ自分が町にやられるのか、よくわかっていない。
 馬車が故郷の町並みを離れるや、少年の眼前にはてしない曠野が広がる。それからは見るも聞くも新しいことばかりである。行き交う農夫や羊飼い、もの珍しげな少年、最初の夜を明かした一軒家の旅寵で出会った美しい伯爵夫人……そして真昼の炎熱に焼かれた曠野も、静かな眠りについた夜の曠野も、彼にはまるで生き物のように思える。
 2日目、少年は荷馬車隊に預けられ、朴とつで面白い馭者たちと道連れとなる。そして曠野を越える旅が終りにま近い3日目の夜、彼らは激しい雨に襲われ、天を裂く稲妻と哮り狂ったような雷鳴に少年は震えあがった。
 翌日、伯父や神父と別れを告げて町に残る少年の眼には涙が浮かんだ。――新しい人生への門出であった……

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1977年製作

[スタッフ]
脚色・監督:セルゲイ・ボンダルチュク
撮影:レオニード・カラーシニコフ
音楽:ヴャチェスラフ・オフチンニコフ
美術:ヴィクトル・ペトロフ
   ユーリー・フォメンコ

[キャスト]
エゴールシカ:オレーグ・クズネツォフ
フリストフォル神父:ニコライ・卜ロフィーモフ
クジミチョフ:ウラジーミル・セドフ
デニースカ:ヴィクトル・ママーエフ
エメリヤン:セルゲイ・ボンダルチュク
旅寵の主人:インノケンティー・スモクトゥノフスキー

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / カラー/スタンダード
[日本公開年]
 1978年第16回ソビエト映画祭にて上映
          1981年4月"ソビエト映画の全貌"にて公開(日本海)

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パンフレットソヴェート映画史−七つの時代
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