[かいせつ]
セルゲイ・ボドロフ監督が"ボードレール的滑走"で描く、モスクワのストリート・キッズたちの危険な夜。
この映画の出演している若者の多くは、ボドロフ監督とプロデューサがモスクワの路上で見出したストリート・キッズたちである。体制の崩壊によって、若者たちにとってモスクワは、希望の街でも約束の地でもなくなってしまった。ギャングや不良少年、バイク族やロックンローラー。10代、20代にして自分の人生に居場所のないことを知ってしまった若者たちは、現代ロシアの抱えるあらゆる矛盾が複雑に絡み合い、犯罪というかたちで噴出する都市の裏通りを彷徨する。この映画は、彼らを軸にしたフィルム・ノワールともいえよう。
非情と無邪気あいだを揺れ動き、絶望と希望が隣り合わせでもたれあう。アメリカン・ニュー・シネマの雰囲気が漂うこの作品は、ロサンジェルスでも活動するセルゲイ・ボドロフ監督の未知なる才能を感じさせずにはおかない。 |
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[あらすじ] 青年ボブは、かつては、栄光を全身に受けて戦い、レスリングのチャンピオンにさえなったこともあった。だが、試合中の事故で選手生命を絶たれた。今は、マフィアのボディガードである。
映画の「イージー・ライダー」に憧れる彼は、巨大なバイクを駆って、地方都市サラトフから1000キロの道程をモスクワへとやって来た。盗まれたボスの金を取り返すためだった。
初めてのモスクワでは、あらゆるものが新鮮だった。急激な変化の中にある都市の速度に翻弄され、気乗りがしない仕事を忘れそうになったりもする。気乗りがしないのには理由があった。彼の探す相手とは、同郷の友人なのだ。しかも、金を取り返せなければ、殺せと厳命されている。
ボブは1日だけ待つことにする。しかし、その24時間が彼の運命を大きく変えてしまうことになろうとは… |
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[スタジオ/製作年] ロシア・アメリカ合作
12Aスタジオ+スクリーン・エンジェル・プロダクション
1992年製作 |
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[スタッフ]
監督・脚本:セルゲイ・ボドロフ
Sergei BODROV
製作・脚本:キャロリン・キャヴァレーロ
Carolyn CAVALLERO
製作総指揮:アレクサンドル・ミハイロフ
Alexander MIHAILOV
レオナルド・レフ
Leonard LEV
撮影:アレクセイ・ロジオーノフ
Alexei RODIONOV
セルゲイ・タラスキン
Sergei TARASKIN
フョードル・アラヌィシェフ
Fedor ARANSHIVA
ウラジーミル・イリイン
Vladimir ILYN
編集:オルガ・グリンスプン
Olga GRINSPAN
音楽:モンゴル・シューダン
Mongol SHOODAN |
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[キャスト]
ボブ:アレクセイ・バラノフ
Alexei BARANOV
ネット:ナターリャ・ギンコ
Natalia GINKO
その他:リア・アヘジャーコワ
Lia AHEDJAKOVA
アレクセイ・ジャルコフ
Alexei JARKOV
エフゲーニー・ピヴォヴァーロフ
Evgeni PIVOVAROV |
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[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / ヴィスタ(1:1.66) /カラー
[上映時間] 1時間25分
[日本公開年・配給] 1994/9/10(BOX東中野)・アップリンク |