[かいせつ] アルメニアの作家ラチャ・コチャル原作の映画化作品。
今世紀初頭、 トルコや、さらにはロシア時代の民族主義的ブルジョア政府による民族絶減政策にさらされたアルメニア人たちの運命をもの語る映画である。
ゲンリフ・マリャン監督は「三角の家」他で知られるアルメニア映画の代表的な監督。一人の人間の内面の復活を、力みのない静かな画面に見事な映像処理で謳いあげ、全ソ映画祭で大賞と撮影技術賞を受賞、1978年度タシケント(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)映画祭でも内外の注目を集めた。
全篇にわたって殆どセリフを喋らない主人公ナーペトの役は、「惑星ソラリス」にも主演したソス・サルキシャンが演じている。 |
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[あらすじ]
1921年、ナーペトは避難民の群れに混じって、西部の村からアララト渓谷にやってくる。最愛の家族を失った彼は、その衝撃から立ちなおれぬまま、山あいの貧しい部落の荒れ果てた掘立小屋で、殆ど口をきかない、孤独な日々を過ごしている。多くのアルメニア人がその苛酷な試練に耐え、荒地に鍬を打ちおろして開墾にはげんでいた頃である。
しかし、村にやってきた姉一家との再会や同じような不幸な運命を背負った女性ヌバルにめぐり合ったことで、長く心の傷が癒えることのなかったナーペトにも、ゆっくりと静かに生きる力が甦る時が訪れた。 |
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[スタジオ/製作年] アルメンフィルム・1977年製作 |
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[スタッフ] 原作:ラチヤ・コチャール
脚本・監督:ゲンリフ・マリャン
撮影:セルゲイ・イスラエリャン
美術:R・ババヤン
音楽:アレクサンドル・アルチュニャン |
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[キャスト] ナーペト:ソス・サルキシャン
ヌバル:ソフィク・サルグシャン
アプロ:ムゲル・ムクルトチャン |
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[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / カラー
[上映時間] 1時間33分
[日本公開年・配給] 1979/8/24(ソビエトシネマ'79=ヤマハホール)・日本海 |