■ものがたり
 ドン河の上流地方に、戦争が終って初めて訪れた春の季節、その舟着場あたりにただずむ子供運れの初老の男――かつてソコロフは、平凡な、しかし幸せな生活をおくっていた。大工の組合で働いたり指物師をしたり、自動車の運転手になったりした。独ソ戦に参加する時、二人の子供たちは成長して頼もしい存在になっていた。出征の駅頭で、妻のイリーナは、涙にくれながらソコロフを見送った。――そして42年5月、砲弾の中を進む自動車中隊の中にソコロフがいた。
 彼は重砲弾を浴びて、ドイツの捕虜になった。激しい雨にたたかれる破壊された教会。そこに、負傷し、疲労しはてた

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