[かいせつ]
1957年カンヌ国際映画祭審査員賞
監督は「誓いの休暇」で著名なグリゴーリー・チュフライ。チュフライは1921年生れ。対独戦で負傷して復員後、映画大学でミハイル・ロンム他に学び、この作品がデビュー作。
原作はボリス・ラヴレニョフの短編『41番目の男』で、既に1920年代に当時の巨匠ヤーコフ・プロタザーノフ監督の手で映画化されている。まだ、無名の若手監督が取り組んだと言う事で、あまり成果は期待されていなかったが、公開されるやたちまち海外でも評判となり、カンヌ映画祭では、シナリオのヒューマニスティックな主題に対して審査員賞を受賞。チュフライ監督作品に共通するヒューマンなテーマと叙情的な映像の片鱗がここにもうかがえる。また、荘漠たる砂浜や打ちかえす波しぶきを捉えた、セルゲイ・ウルセフスキーの美しいカメラワークもさることながら、その後訪れた、いわゆる"雪どけ"時代を予測させる瑞々しい映像感覚が印象的である。 |
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[あらすじ]
国内戦時代、多くの僚友を失った赤軍パルチザン部隊は、白軍の包囲を逃れるため、カラクム砂漠を越えてアラル海に出て、海岸づたいにカザンスクへ向うことになる。その部隊に美しい女狙撃兵マリュートカがいる。彼女はうまいとは言えなかったがなかなかの詩人で、しかも40人の白衛軍兵士を射ち殺したほどの射撃の名手。
行軍は途中で撃ち会いとなり、マリュートカは"41人目"を射ち損う。それは白軍の将校だった。捕虜となったその将校を連れてアラル海を護送中、暴風雨のため船が難破、マリュートカと将校は無人島に漂着する。たどりついた島で病となった将校を親身に世話するマリュートカ。平凡な漁師の妻とペテルブルグの貴族、所詮は相容れないはずの二人だったが、いつしか愛が芽ばえて…。だがやがて、白衛軍の船が海岸に姿を現すと、マリュートカの小銃は火を吹いた…。 |
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[スタジオ/製作年] モスフィルム・1956年製作 |
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[スタッフ]
原作:ポリス・ラヴレニョフ「41番目の男」
脚本:G・コルトゥーノフ
監督:グリゴーリー・チュフライ
撮影:S・ウルセフスキー
美術:V・カムスキー
音楽:N・クリューコフ |
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[キャスト]
マリュートカ:イゾリダ・イズヴィツカヤ
白軍士官:オレグ・ストリジェノフ |
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[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / カラー
[上映時間] 1時間33分
[日本公開年・配給] 1957/3/9 ・独立
[VIDEO・DVDなど] VIDEO=IVCB-7012 DVD=IVCF-22 アイ・ヴィー・シー
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