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パパの大好きなピエロ
МОЙ ЛЮБИМЫЙ КЛОУН
MY BELOVED CLOWN

[かいせつ]
 俳優、またアニメーションの監督、美術家、脚本家として多才ぶりを発揮しているワシーリー・リヴァーノフが雑誌「青春」に発表した同名小説の映画化で、脚本はニキータ・ミハルコフとアレクサンドル・アダバシャンの名コンビが担当。
 監督のユーリー・クシネレフは高等監督コースを卒業後、喜劇のベテラン、グリゴーリー・ダネーリヤ監督の映画で助監督を勤めていた。コメディーのジャンルに深い愛着を寄せる彼は「パパの大好きなピエロ」でも滑稽と悲哀を巧みに結びつけて、深い情感を漂わせたメロドラマを展開している。
 主人公のセルゲイを演ずるのは、79年にシチェプキン名称演劇学校を卒業した、エルモーロワ名称モスクワ劇場の俳優オレグ・メニシコフ。「夢は舞う」(83、監督ロマン・バラヤン)他の出演作があり、またテレビでも活躍中の新進俳優である。かつて、「絆」(82)に出演したメニシコフについて監督のミハルコフは「若手の割りには、大変、鋭敏な精神を持っていて演技力にも優れ、音楽性に富み、そしてすばらしいユーモアのセンスを持っていた」と、彼の天賦の才能に将来を期待している。
 なお、孤児ワーニカを演じたイリヤ・チューリンは、既に6本の映画に出演している"ベテラン"子役で、「気をつけて、ワシリク!」(86)では主役も経験している。また、ポリーナ役のタチヤーナ・ダギーレワは「解任」(82)や「ふたりの駅」(83)にも登場した、モスクワのレーニン・コムソモール劇場の人気女優である。
(「第10回ソビエト映画祭パンフレット」より *人名表記はそのまま転載しています)

[あらすじ]
 サーカスのピエロ、セルゲイ・シ二一ツィンは6歳のみなし児ワーニカを孤児院から引き取って育てることにした。だが、彼を養子に迎えることに一度は賛成しておきながら、妻リョーシャはセルゲイのもとを去って行く。
 そんな折、相棒のピエロ、ロマンとのコンビで初めて晴れの舞台に上ったセルゲイは、"仕掛け"のミスから"本物"のライオンと一緒にオリの中にとじこめられてしまう。飼育係や舞台監督の機敏な処置のおかげで、観客には気づかれずに何とか救出されて事なきを得たが、妻の裏切りに悩む彼は一層みじめな気分になるばかりであった。
 翌朝、それでもセルゲイは決心を翻すことなくワーニカを迎えに出掛けた。ワーニカはこの上もなく幸福な気分に酔いしれた。お気に入りの玩具、ワクワクするサーカス、そして優しくてハンサムなパパの笑顔……。利発で屈託のないワ一ニカは誰からも好かれ、ロマンとその妻で子供のいないアリーサや他のサーカスの仲間達も、一人で子育てに奮闘するセルゲイを何かと手助けした。そして、空中ブランコのスター、ポリーナもこの父子に暖かい眼差を注いでいる。彼女はかつてセルゲイと恋仲だったが、ちょっとしたいき違いから別れたのだ。
 ある日、サーカスの団長ジム・ジミッチが嬉しい知らせを持って来る。セルゲイとロマンがカルロヴィバリで開催される世界サーカス・コンクールに出場することになり、それに引き続いて外国での客演にも招かれているという。ワーニカもアリーサが預かってくれることになった。全ては順調そのものだった。ところがその夜、ワーニカが突然高熱を出す。
 夜を徹して看病にあたるセルゲイ。親友ロマンの落胆は大きかったが、コンクールも客演も断念する他なかった。ワーニカの病状は悪化の一途をたどり遂には救急病院へ。「子供を救うためには輸血が必要で、しかもその血液型は非常に稀なものだ」と医者は告げる。祈り良く、ワ一ニカと同じ血液型のポリーナがかけつけてくれ、直ぐにも輸血が開始された。ベットの傍にいるポリーナに、ワーニカが「ママ!」と呼びかける……

(「第10回ソビエト映画祭パンフレット」より *人名表記はそのまま転載しています)

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1986年製作

[スタッフ]
原作:ワシーリー・リヴァーノフ
    VASILY LIVANOV
脚本:アレクサンドル・アダバシャン
    ALEKSANDR ADABASHYAN
    ニキータ・ミハルコフ
    NIKITA MIKHALKOV
監督:ユーリー・クシネレフ
    YURY KUSHNEREV
撮影:イーゴリ・ベク
    lGOR BEK
美術:ヴィクトル・ゼンコフ
    VIKTOR ZENKOV
音楽:オリガ・ぺトロワ
    OLIGA PETROVA
(「第10回ソビエト映画祭パンフレット」より *人名表記はそのまま転載しています)

[キャスト]
セルゲイ・シニーツィン(SERGEl SINlTSYN)………
              オレグ・メニシコフ
              OLEG MENSHIKOV
ロマン(ROMAN)…ウラジーミル・イリイン
              VLADIMIR ILIN
ワーニカ(VANKA)……イリヤ・チューリン
               lLYA TYURIN
ポリーナ(POLINA)……タチヤーナ・ダギーレワ
               TATYANA DOGILEVA
アリーサ(ALISA)……ナターリヤ・サイコ
              NATALYA SAIKO
(「第10回ソビエト映画祭パンフレット」より *人名表記はそのまま転載しています)

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ]35mm/ スタンダード / カラー
[上映時間] 1時間24分
[初出等] 第10回ソビエト映画祭で上映

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