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ピロスマニ
ПИРОСМАНИ

[「ソビエト映画の全貌91」パンフレットより転載]
[かいせつ]
1974年シカゴ国際映画祭ゴールデン・ヒューゴ賞
   アゾロ国際映画祭最優秀伝記映画賞
1978年キネマ旬報ベストテン4位
1979年芸術祭優秀賞

 この映画の舞台となっているグルジアは、カスピ海と黒海にはさまれた東洋と西洋の接点、コーカサス山系の長寿で知られる、長い歴史と豊かな自然に恵まれた国である。
 この映画はグルジアの独学の天才画家ニコ・ピロスマニ(1862〜1918)の数奇な生涯をめぐる映像詩である。60年の流浪の生涯をひたすら描き続け、清廉に生きて、無名のまま死んだ同郷の画家の半生を、ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督は"憧憬"にも似た情熱を抱いて描いており、その映像はピロスマニのプリミティヴな画風を彷彿せるばかりか、グルジアの風土や民族の心までも伝えている。
 ピロスマニ役に抜擢されたのは美術監督アフタンジル・ワラジ。グルジアの現代美術家の代表的な一人だが、77年に惜しくも51歳で天逝し、これが生涯一度の映画出演となった。シェンゲラーヤ監督は兄エリダルとともに、父ニコライ・シェンゲラーヤを継いで、グルジヤ映画の担い手の一人。

[あらすじ]
 20世紀初頭のこと、流浪の日々に疲れはてたピロスマニは、なが年奉行していた地主の家のあるトビリシに舞い戻ってきた。そして古くからの友人ドミトリーと食料品店を始めたが、ピロスマニの純朴な気性は商人には向かなかった。まもなくドミトリーと仲違いをした彼は、店の品物を貧しい人々に分け与えると、さっさと店を閉じてしまった。姉夫婦がお膳立てした縁談もうまくいかず、憂さを酒でまぎらしながら、彼はまた放浪生活を始める。
 だが彼が糊口をしのぐために描いた、居酒屋の看板や壁の絵には、身のまわりの自然や彼が行きずりあった名もなき多くの人々への愛が息づいていた。そんな彼の絵が、ここを訪れた二人の画家の眼にとまって、ピロスマニの名が画壇でも認められる時が来たように思えた……。が、当時の美術界には彼の絵を理解する者はいなかった。カフェーで見染めた踊り子マルガリータヘの愛もかなわぬまま、再び放浪の日々が始まる。

[スタジオ/製作年] グルジアフィルム・1969年製作

[スタッフ]
脚本:エルロム・アフヴレジアニ
    ゲオルギー・シェンゲラーヤ
監督:ゲオルギー・シェンゲラーヤ
撮影:コンスタンチン・アプリチャン
美術:アフタンジル・ワラジ
    ワシーリー・アラビーゼ
音楽:ワフタング・クヒアニーゼ

[キャスト]
ピロスマニ:アフタンジル・ワラジ
マルガリータ:アッラ・ミンチン
許嫁:ニノ・セトゥリーゼ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / カラー /
[上映時間] 1時間27分
[VIDEO・DVDなど] VIDEO=IVCB-7014 DVD=IVCF-25 アイ・ヴィー・シー

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