[かいせつ] 1963年トリエステ国際ファンタスティック映画祭「銀のアステロイド」賞
アレクサンドル・ベリャーノフ同名の児童向長編小説をもとにした冒険空想映画。
この映画の魅力の一つ、水中撮影は、レニングラードの競泳用プールとクリミア半島のセヴァストーポリ近くの湾岸で行われた。主人公イフチアンドル役のスタントマンは当時レニングラード潜水競技チャンピオンのアナトリー・イヴァノフ。
可憐なヒロイン、グチエーレを演じるアナスタシア・ヴェルチンスカヤはアレクサンドル・プトゥシコ監督の「真紅帆」(1961)でデビュー。この第2作ではスタントなしで演じ、その後グリゴーリー・コージンツェフ監督「ハムレット」(1964)のオフェリア役、セルゲイ・ボンダルチェク監督「戦争と平和」(1966〜1967)リーザ・ボルコンスカヤ役、アレクサンドル・ザルヒ監督「アンナ・カレーニナ」(1968)キティ役など次々に大役を演じ、日本でも人気を博した。
「両棲人間」は1962年ソ連国内での観客動員数1位を記録した。 |
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[あらすじ]
港町はパニックに襲われた。半魚人が漁師を恐怖のどん底に叫き込んだとの記事があらゆる新聞にあふれ返っていた。半魚人を間近で見た者は一人もいなかったが、夜のクラプでは半魚人の歌も歌われていた。
美しい娘グチエーレはあやうくサメに襲われそうなところを半魚人によって助け出された。半魚人はイフチアンドルという名の青年だった。父親のサリバートル博士が結核に侵された息子イフチアンドルに、幼サメのエラを移植し、水陸両方に住める身体にしたものだった。博士は無限に資源がある海の中でも住む事の出来る両棲人間をつくり、海底にユートピアを創る構想を持っていた。
一目でグチエーレに恋をしたイフチアンドルは彼女を求めて、初めて陸にあがる。
地上で何度か会ううちにグチエーレも、この不思議な青年に惹かれていく。が、グチエーレは彼女の父親バリタザールのペドロに対する借金のため、結婚せざるをえなかった。 ペドロの別荘に閉じ込められたグチエーレを助けるため、イフチアンドルは屋敷に忍び込むが、逆に捕らわれてしまう。
ペドロは半魚人イフチアンドルを使い真珠を採集させ、一儲けを企んでいた。
グチエーレに心をよせる新聞記者オリセンの知らせで、サリバートル博士はベドロの帆船"メドゥーザ"号に潜水艇でイフチアンドル救出に向かったが、警察によってイフチアンドルと共に拘束されてしまう。
娘の幸福を願うバリタザールはペドロを殺し、グチエーレを別荘から解放する。
以前、サリバートル博士に自分の息子を助けてもらった刑務所の看守の協力を得て、オリセンとグチエーレはイフチアンドルを救出するが、すでにイフチアンドルの身体は地上では生きていくことが出来ない身体になっていた… |
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[スタジオ/製作年] レンフィルム・1961年製作 |
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[スタッフ] アレクサンドル・ベリャーエフ原作同名小説より
監督:ゲンナージー・カザンスキー
ウラジーミル・チェボタリョフ
脚本:アキバ・ゴリブルト
アレクサンドル・クセノフォントフ
アレクセイ・カプレル
撮影:エドゥアルド・ロゾフスキー
美術:V・ウリトコ
T・ヴァシリコフスカヤ
音楽:アンドレイ・ペトロフ
Noveld by Aleksandr Romanovich Beljaev
Director : Gennadii KAZANSKII
Vladimir CHEBOTAREF
Screenplay : Akiba GOLBURT
Aleksandr KSENOFONTOV
Aleksei KAPLER
Director of Photography : Eduard ROZOVSKII
Art Director : V.ULITKO / T.VASILKOVSKAYA
Music : Andrei PETROV |
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[キャスト] イフチアンドル:ウラジーミル・コレネフ
グチエーレ:アナスタシア・ヴェルチンスカヤ
ズリータ:ミハイル・コザコフ
サリバートル:ニコライ・シーモノフ
バルタザール:アレクサンドル・スミラニン
オルセン:ヴラッドレン・ダヴィドフ
ユーリー・メドヴェーデフ
ゲオルギー・トゥスーゾフ
Ikhtiandr : Vladimir KORENEV
Guttiere : Anastasiya VERTINSKAYA
Zurita : Mikhail KOZAKOV
Salvator : Nikolai SIMONOV
Baltazar : Aleksandr SMIRANIN
Olsen : Vladlen DAVYDOV
Yurii MEDVEDEV
Georgii TUSUZOV |
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[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / カラー
[上映時間] 1時間37分
[日本公開年・配給] 2002/4/27 ・ロシア映画社 |