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せむしの仔馬
Конёк-Горбунок
The Humpbacked Horse

[かいせつ]
「せむしの仔馬」はソビエト・アニメの創始者とも云うべきイワン・イワノフ=ワノ監督の代表作でウォルト・ディズニーの「自雪姫」や「バンピ」に比肩されるアニメ史上屈指の名作です。1947年に発表された旧版は、世界中で公開されマリアンスク・ラズニ国際映画祭やカンヌ国際映画祭特別賞ほかを受賞するなど大きな反響と巻き起こしました。しかし、製作者自身が驚くほどの好評で、プリントの焼増注文が殺到した結果、オリジナル・ネガ・フィルムそのものが痛んで使用不能となってしまいました。
  この映画の再生をライフ・ワークと念じてきたワノ監督は、25年ぶりに新版の製作に着手し、1975年に完成させました。いくつかのエピソードが追加され、国民画家アレクセイ・グリボフらの原画をもとにソビエト・アニメ界を総動員して、王朝名画のような造形美を造り出して旧版以上の雄大な作品となっております。
 原作は、150年前のロシアの作家ピョートル・エルショフ。ロシアの昔話「金色の馬」や「火の鳥」そして「イワンの馬鹿」などを巧みな構成でまとめて、今日では世界中で愛読されています。
 奇想天外な大冒険。欲の深い王様に対抗するイワンとせむしの仔馬は、まるで「一体さん」のように機智に富んでいます。夢とロマンに溢れたこの作品は、一コマ一コマを丹念に描き込んだ優雅な動きとともに、日本のアニメにはない気品をも感じさせてくれることでしょう。

[あらすじ]
 山と森に囲まれた小さな村に、イワンという働き者の少年が住んでいました。村には夜になると金色の馬がやって来て、畑を荒らされて困っていました。
 イワンはある時、金色の馬を捕まえて、その金色の馬から二頭の黒馬と可愛いいせむしの仔馬をもらいました。
 イワンは、二頭の黒馬を王様に売って、その馬の世話係として城内に住むことになりました。ところが、火の鳥の羽根を拾ったところをいじわるな大臣に見付かってしまいました。欲深い王様は大臣の話を聞いて、イワンに火の鳥を捕まえて来るよう命じました。
 せむしの仔馬に助けられて、イワンはどうにか火の鳥を捕まえました。
 欲深い王様は、今度は、太陽の娘で月の妹という美しい娘を連れてこいとイワンに命じました。この美しい娘もせむしの仔馬の策略で、城に連れてくることに成功しました。
 王様は、業しい娘を見ると、結婚と申し込みました。しかし、娘は、王様がもっと若くなければ嫌だと断わりました。
 若くなるためには、氷のように冷たい水。煮えたぎったお湯。そして最後に、火のように煮えたぎったミルクの釜に入らねばなりません。
 イワンがまず飛び込んで美しい若者に生まれかわると、王様も急いで飛び込みましたが、再ぴ姿を見せませんでした。
 美しい若者となったイワンと太陽の娘は結婚し、幸せに暮らしました。

[スタジオ/製作年] ソユーズムリトフィルム・1975年製作

[スタッフ]
原作 ピョートル・エルショフ
脚本 I・イワノフ=ワノ / 脚本 A・ウォルコフ
歌詞 A・スルーコフ
監督 I・イワノフ=ワノ
美術 A・ミールチン
撮影 M・ドールヤン
音楽 V・オランスキー V・ワシリーエフ
録音 B・フィリチコフ
モンタージュ E・テルトィチナヤ
編集 R・フリチンスカヤ
製作 F・イワノフ

[日本語版スタッフ・キャスト]
製作 佐藤宣明 / 演出 高桑慎一郎 / 翻訳 山田小夜子 / 効果 南部光庸 大橋勝次
ナレーター 熊倉一雄 / イワン 太田淑子 / 王様 熊倉一雄 / 大臣 山田康雄 / 姫 平井道子 / 仔馬 丸山総子 / 合唱 早稲田グリークラブ

[ジャンル] 長編アニメーション
[サイズ] 35mm / スタンダード / カラー
[上映時間] 1時間14分
[日本公開年・配給] 1977/7/17 ・東映
[VIDEO・DVDなど] 
DVD=IVCF-232(イワンと仔馬) アイ・ヴィー・シー

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