SIDE-A
死者は呼びかける
"ワルシャワ労働歌"より
音楽 ニコライ・クリューコフ
演奏 ソ連邦映画省オーケストラ
指揮 A・ガウク
1950年モスフィルム製作
「戦艦ポチョムキン」は1905年6月、黒海オデッサ港で起きたロシア黒海艦隊の旗艦"ポチョムキン・タヴリチェスキー公爵"号で起きた水兵たちの反乱の史実を映画化したもので、1925年、弱冠27才のセルゲイ・エイゼンシュテイン監督が製作したサイレント映画です。この映画は1905年の第一次ロシア革命の必然性だけでなく、20世紀初頭の社会の潮流を大衆の自由への渇望や抑圧に対する闘い、人格の尊重、人間の平等と社会の進歩をめざして結集しようとする人々の自覚と高揚する気持を謳いあげており、映画史上に初めて登場したダイナミックな集団革命劇の映像化で、ソビエト映画史上はもちろん、世界映画史上に残る不滅の映画とされています。
映画は5章に分かれています。「人々とうじ」(戦艦での抑圧された状況。肉の腐敗が原因で起きる将校と水兵の最初の衝突。)「上甲板でのドラマ」("威嚇"のため |
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БРОНЕНОСЕЦ ПОТЕМКИН
КИНОФИЛЬМ ИЗ СЕРИИ "1905ГОД" |
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●スタッフ
脚本 N・アガジャーノワ
監督 S・エイゼンシュテイン
撮影 E・ティッセ
●キャスト
A・アントーノフ
V・バルスキー
G・アレクサンドロフ
ゴスキノ第一工場製作所1925年作品
■若き映像作家の青春
新藤兼人
「戦艦ポチョムキン」はエイゼンシュテインのただ一本の作品である。27才の若き映像作家のはげしい一撃だった。
これよりのちに「アレクサンドル・ネフスキー」「イワン雷帝」等を作るが、その熟達した演出と洗練されたカメラワークがいかに展開されようと、ついに「戦艦ポチョムキン」をこえるものではなかった。
「戦艦ポチョムキン」にいまもなお脈打つ鼓動はエイゼンシュテインの青春だ。その若さがあるときなにものかに出会ったのだ。それは革命であった。創ることは出会いだ。人は何ものかに出会うことによって、ときに空高く翔ぶことが可能なのだ。 |
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SIDE-B:
艦隊との出会い
音楽 ドミトリー・ショスタコーヴィチ
交響曲第5番より
演奏 国立モスクワ交響楽団
指揮 K・コンドラシン
1977年モスフイルム製作
復原版製作協力 ソ連邦国立映画保存所/エイゼンシュテイン博物館
水兵たちを処刑しようとする艦長。水兵たちの反乱。将校たちに対する制裁。反乱の指揮者、水兵ワクリンチュクの死。)「死者は呼びかける」(ワクリンチュクの喪。オデッサでの市民と集会。)「オデッサの階段」(オデッサ市民と蜂起した水兵たちの喜びの出い。皇帝(ツアーリ)の懲罰隊員による市民たちへの血の制裁。)「艦隊との会合」(艦隊との出会いを前にしての不安な夜。艦隊の間を進む戦艦ポチョムキンの凱旋航行……)
1950年版(サウンド版)はこの不朽の名作の25周年に「シベリア物語」の作曲家ニコライ・クリューコフが音楽を入れトーキー版として公開されたもの、また1976年版(完全復原版)はかってドイツでの検閲のため喪失したネガ部分を補足し、更に音楽はドミトリー・ショスタコーヴィチ作曲の第4・5・7・10・11番のシンフォニーよりの編曲に入れ替えられたものです。 |
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