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戦艦ポチョムキン
БРОНЕНОСЕЦ "ПОТЕМКИН"
Battleship Potemkin

[かいせつ]
1952年及び58年、ブリュッセル万国博“映画史上のベスト・ワン"

 エイゼンシュテインの名を不滅にした、世界映画史上に名高い古典。
 1925年、処女作『ストライキ』の成功で注目を集めていたエイゼンシュテインは、第一次ロシア革命20周年記念委員会より、記念映画の製作を依頼された。そしてニーナ・アガジャーノワの「1905年」というタイトルのシナリオは六つのエピソードで構成され、全体としては第一次ロシア革命の始まりから挫折にいたるまでのこの革命の全貌を網羅していたが、エイゼンシュテインはこのうちの一挿話にすぎない、"戦艦ポチョムキン・タヴリチェスキー公爵号水夫反乱事件"の部分に絞って撮影した。前作『ストライキ』のように、ここでも出演者は数人をのぞき素人で、黒海艦隊の水兵やオデッサの市民であった。
 この作品は、調和のとれた構成、明確で印象的なカット、様々なタイプのモンタージュを駆使した結果得られた映画的比楡など、類まれな力強いドラマテイズムを生みだした。オデッサ階段での虐殺シーンなど名場面が随所に登場し、後世の映像芸術に与えた影響は計り知れない。
 一方、この映画は、オールロケの記録映画的手法と、『ストライキ』より前進した「アトラクションのモンタージュ」の実践により、専制とその圧政から解放されたいとする民衆との力の対決を、衝撃的とも云うべき、新鮮な迫力で浮かびあがらせ、世界各地で大きな反響を呼んだ。その結果、共産主義を恐れる勢力によって、上映禁止となったり、カットして上映されたりもした。日本でも輸入禁止となり、1959年、34年ぶりに自主上映運動の手によって公開され、1967年10月4日、ATG配給により一般劇場公開された。
 1950年には、ニコライ・クリューコフの音楽を入れたサウンド版が、さらに、1976年に、セルゼイ・ユトケーヴィチ監督らが、検閲や再編集によって失われていた110カットの復元・補足作業を行い、ドミトリー・ショスタコーヴィチの音楽をつけた“完全復元版"が公開された。
 近年は、初公開のさいに作曲されたエドモンド・マイゼルのスコアが発見されて、これによる生演奏での上映が世界各地で開催され、日本でも1987年以来、各地で上映が行われている。
 --> 参考資料:オリジナル・サウンドトラック盤 -->

[あらすじ]
 1905年6月、日露戦争の相次ぐ敗北の知らせは、ロシアでは民衆の皇帝専制に対する不満をつのらせ、第一次ロシア革命の波が高まりつつあった。その頃、黒海沿岸のオデッサ沖に碇泊中の戦艦ポチョムキンでは水兵のワクリンチュクとマチュシェンコが密かに反乱の機会をうかがっていた。
 6月14日、水兵たちが腐った肉入りのスープを飲むのを拒むと、艦長が残酷な処刊を行おうとしたため、兵士たちの不満が爆発、かれらは将校に反旗を翻した。乱闘が起り、将校は海に投げこまれる。水兵たちは果敢に戦い、ついに戦艦を占領してオデッサに入港する。しかし、ワクリンチュクは下士官に射たれて死ぬ。
 ワクリンチュクの遺体が横たえられた海辺には死を悼んで、多数の市民がつめかけた。やがて、「一人は皆のために、皆は一人のために」のスローガンのもとに、ポチョムキンの水兵の情熱とオデッサの労働者の怒りは一つになった。市民は水や物資を運んで水兵を激励し、互いにツァーリズム打倒を誓い合った。。
 だが突然、ポチョムキンに声援を送ろうと港へ通じる階段を下りていた市民を、銃をかまえた兵士たちの列が追ってきた。一斉射撃か始まり、素手の市民が次々と倒れ、周りは一瞬のうちに凄惨な地獄と化した。港内からこの惨劇を目撃したポチョムキン号は報復として軍司令部を砲撃した。その結果、黒海艦隊の僚艦12隻の攻撃を受けることは必至となった。
 ポチョムキンの行手を塞ぐために、黒海艦隊が夜闇の中を迫ってくる。艦隊を抑え撃つ決意を固めたポチョムキンは、錨を引き上げる…

[スタジオ/製作年] ゴスキノ第一工場1925年製作
              〈サウンド版〉モスフィルム1950年製作
              〈完全復元版〉モスフィルム1976年製作

[スタッフ]
脚本:ニーナ・アガジャーノワ=シュトコ
    セルゲイ・エイゼンシュテイン
監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン
撮影:エドゥアルド・ティッセ
美術:ワシーリー・ラハリス
音楽(1950年版):ニコライ・クリューコフ
   (1976年版):ドミトリー・ショスタコーヴィチ

[キャスト]
水兵ワクリンチュク:アレクサンドル・アントーノフ
艦長ゴリコフ:ウラジーミル・バルスキー
先任士官ギリャロフスキー:グリゴリー・アレクサンドロフ
水兵マチュシェンコ:ミハイル・ゴモロフ
下士官:アレクサンドル・リョフシン
神父:セルゲイ・エイゼンシュテイン

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / モノクロ / オリジナルはサイレント
[上映時間] 1時間15分(24駒/秒 映写)
[VIDEO・DVDなど] 絶版 LD=PILF-1098(2面) パイオニアLDC
VIDEO=IVCV-3530S 発売元 株式会社アイ・ヴィー・シー

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