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祖国のために
ОНИ СРАЖАЛИСЬ ЗА РОДИНУ
THEY FOUGHT FOR THEIR MOTHERLAND

[かいせつ]

 ミハイル・ショーロホフは、わが国でも「静かなるドン」や「開かれた処女地」などの代表作によって、広く知られている、ソビエト文壇の巨匠である。映画化されているものも多く、ソビエトの時代には、短篇の映画化は、映画大学の卒業制作まで含めると、殆ど毎年のように行われていたといっても過言ではない。
 セルゲイ・ボンダルチュク監督も、デビュー作は、やはりショーロホフ原作「人間の運命」の映画化であった。その後、「戦争と平和」「ワーテルロー」の監督を経た後、再びショーロホフの作品に取り組むことになった。
 「祖国のために」は、ショーロホフの第3長篇である。独ソ戦線中、作者自らが戦線を視察して、その生々しい印象を伝えた記録文学の傑作であり、当時機関紙<プラウダ>に連載されて、好評を博した名篇である。
 物語は戦いの初期、1942年夏、破竹の勢いで攻めてきた独軍との戦いに敗れて退却しつつあった赤軍連隊の兵士たちが、敵の戦車群と飛行機とに悩まされながら、不屈の戦いを続けていくさまを描いたものであり、退却途上における兵士たちのさまざまなエピソードを克明に伝えている。
 撮影は、当時の事件があったと同じ現場、ドン河畔でロケーションされた。監督のセルゲイ・ボンダルチュクは、「戦争と平和」同様に、この作品でも、兵士ズヴャギンツェフ役で出演。他に、「戦争と平和」のビャチェスラフ・チーホノフをはじめとして、ワシーリー・シュクシン(その後の活躍を期待されていたが、撮影中に惜しくも亡くなる)、ユーリー・ニクーリン、イワン・ラピコフ、ニコライ・グベンコなど、重厚多彩なメンバーが出演している。撮影は、「僕の村は戦場だった」「アンドレイ・ルブリョフ」「惑星ソラリス」のワジーム・ユーソフが担当している。
 「私は戦いを知っている世代であるし、自らの手に武器を持って、戦いの道を歩んできた。戦争については、これまでにも沢山の事が語られてきたが、何か自分なりに戦争について語ることは、それを体験してきた人間の義務である。私は、戦いについて、本当のことを、戦争についての真実を、それがどんなに辛いものであるかを表わしたいと思う」と、ボンダルチュク監督は語っている。
 スタッフには、「戦争と平和」「ワーテルロー」のスタッフが多く参加し、もはや再映像化は不可能とも思える大迫力の戦闘シーンの臨場感と人間ドラマを織り交ぜ、壮大にして重厚なスペクタクル映画となっている。

[あらすじ]
 独ソ戦争開戦後1年を過ぎた1942年の夏。ドイツ軍は、重戦車を駆使した鉄十字機甲師団を先鋒として、破竹の勢いで攻め込み、ソビエト赤軍連隊の兵士らは押されぎみだった。彼らは退却しつつあったが、しかし、そのまま諦めようとはしなかった。まるで、モグラのように個別の塹壕を掘って機をうかがい続けていたのだ。
 ドイツ軍は、陸から空から猛烈に攻め続けたが、装備に欠けるソビエト軍兵士たちは人海戦術で闘いを挑んでいた。自らの手に武器を持って、戦いの道を歩み続けたのである。愛すべき祖国を守るために集まったのは、さまざまな地方を出身とする不屈の男たちだった。農民出身のピョートル・ロパーヒン、ニコライ・ストレリツォフ、ネクラーソフらの兵士は、ポプシチェンコ曹長など上官の指導のもとに、熱い友情と勝利の確信に支えられながら過酷な戦闘を続けていた。そして、それがドン河の悠久の流れを赤く染める事になろうとも、彼らは不屈の戦いへと突き進んで行くのだった。数々の苦難をのりきり、やがてくる勝利を夢みて……

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1972年製作

[スタッフ]
原作:ミハイル・ショーロホフ
脚本・監督:セルゲイ・ボンダルチュク
撮影:ワジーム・ユーソフ
美術:フェリックス・ヤスケビッチ
音楽:ヴァチェスラフ・オフチンニコフ

[キャスト]
ピョートル・ロパーヒン:ワシーリー・シュクシン
ニコライ・ストレリツォフ:ヴァチェスラフ・チーホノフ
イワン・ズヴャギンツェフ:セルゲイ・ボンダルチュク

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / シネマスコープ / カラー
[上映時間] 2時間15分
[日本公開年・配給] 1981/11/21・ソ連映画祭実行委員会
[VIDEO・DVDなど]  DVD=バトル・フォー・スターリングラード前編PCBE-51161/後編PCBE-51162 ポニーキャニオン・2004/12/1発売

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