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ストーカー
СТАЛКЕР
STALKER

[かいせつ]
「ストーカー」は、SF映画を語るうえでみ のがすことのできない「惑星ソラリス」のア ンドレイ・タルコフスキー監督2本目のSF 大作である。原作は、現在、ソビエトSF界 の第一人者であり、スタニスワフ・レムと共 に共産圏SFの代表的作家、アルカージーと ボリスのストルガツキー兄弟(邦訳に「神様 はつらい」「収容所惑星」ほか)の「路傍のピ クニック」。脚本も原作者自らの書き下ろしで ある。
「惑星ソラリス」でも、タルコフスキー監督 の関心の的は理性ある海を持つ謎の惑星ソラ リスの実体そのものにはなく、むしろ宇宙征 服に挑む人間の内面に向けられていたが、「ス トーカー」でもそうした監督の態度に変りは ない。そして、ここでもタルコフスキーは、 雨、水、火等、彼独得の映像言語を駆使し、 極端に少いカット数(「惑星ソラリス」の約半 分)で、この地上に忽然と現出した不可解な ゾーンに−−それは宇宙人の痕跡か、陽石の 落下かわからないのだが−−禁を犯して踏み こむ3人の男たちを通して、現代の苦悩と未 来の希望を探り、現代人の生き方を問いかけ る。
 主役の3人は、タルコフスキー組とも云うべ きアナトリー・ソロニーツィン(「アンドレイ ・ルブリョフ」以後全作品に出演)、ニコライ ・グリニコ(「僕の村は戦場だった」以後全作 品に出演)に加え、タルコフスキー作品には 初めてと云うアレクサンドル・カイダノフス キーが演じる。音楽は、エドゥアルド・アル テミエフが、タルコフスキー作品では「惑星 ソラリス」、「鏡」に引き続いて担当し、ベー トーヴェンの“歓喜の歌“で、ラストの衝撃 的なシーンを盛り上げている。
 なお、「ストーカー」は、監督自らが美術を 担当しているほか、前作「鏡」と同様に、父親 アルセニー・タルコフスキーや、19世紀ロシ ア象徴派詩人フョードル・チュッチェフの詩 が度々挿入されている。
 観客にさまざまな解釈やうけとめ方をゆだ ねるこの作品は、昨年、カンヌ国際映画祭の 呼びもの“シネマ・シュプリーズ"(覆面試写) で上映されて以来、多くの話題を集めてきた が、わが国でも多様な反響を呼ぶものとなろ う。

昭和50年度芸術祭参加作品
1980年カンヌ国際映画祭参加

(1981年日本初公開時パンフレットより)  --> パンフレット図書館へ -->

[あらすじ]
 陽石の落下か?それとも宇宙人の来訪か? 何が起ったのかわからないが、ある小国にゾ ーンと呼ばれる不可思議な地域があった。そ こにはただちに軍隊が派遣されたが、兵士は 一人として帰還しなかった。ゾーンには鉄条 網が張られ、警戒厳重な警備隊がゾーンを守 っていた。だが、このゾーン内には、人間の 一番切実な望みをかなえる「部屋」があると 云われていた。そこで、禁を犯してゾーンに 侵入しようとする者たちが現われる。彼らを 「部屋」まで案内する者はストーカー(密猟 者)と呼ばれた。
 この日も、ストーカーは妻が引きとめるの を振り切って、ゾーンヘと出発する。待ちあ わせ場所のバーには二人の客がいた。「現代社 会は法則づくめで退屈だ。ゾーンには、何か インスピレーションを取り戻すものがあるん じゃないか」と云う作家と、口数の少ない物 理学者の教授……。
 かれらはゾーンの境界地帯にいる警備兵の 銃火をかいくぐり、軌道車に乗ってゾーンへ 侵入する。ゾーンはかっての文明の根幹、発 電所の跡のようだが、いまでは緑がうっそう と茂る廃嘘でもある。そしてそこには、この 地の秘密を暴くべく派遣された軍隊の戦車の 残骸や、人間の骸が雨露にさらされたままだ。
 ストーカーは、ゾーンは「云わば複雑な罠 で、その罠にかかれば命がない」と語り、白 布を結びつけたナットを投げては「部屋」へ 行く道順を決めていく。ストーカーの忠告を 聞かずに前進しようとした作家も、何者が発 したかわからない「止まれ、動くな!」という 声に怯え、たちこめてきた霧に行手を阻まれ る。ゾーンでは周囲の風景も、自然も刻一刻 と変化するのだ。風が吹き、大地が揺らぎ、 そして帰路も同じコースをたどっては戻れな い……
 かれらは、水が滝の如く流れ落ちる「乾燥 室」という皮肉な名を持つトンネルを通り、 何人もの生命を奪った「肉挽き機」と呼ばれ る非常に危険で恐ろしい管(バイプ)をくぐりぬけ、 深い井戸をもつ、波紋が連なる砂丘の部屋を 通過し、ついに「部屋」の入口にたどりつく。 「部屋」を眼前にして、三人とも無事にここ にたどりついたことを喜ぶストーカー。 がこの時、教授は、かって友人と共に製造し た爆弾をリュックから取り出す………。かれ は、人間が胸に秘めている最も大切な夢を かなえるというゾーン内の「部屋」が、犯罪 者に利用され、人類が不幸に襲われるかもし れないという危倶を抱いていたから、「部屋」 を爆破することを目的にゾーンに来ていたの だ。ゾーンを唯一の心の支えに生きていたス トーカーは、必死で爆弾をとりあげようとす る。
 一方、自らの才能や名声に倦んで、ゾーン に新たな希望を托してやってきたはずの作家 は、やがてゾーンを神聖視するストーカーの 態度に疑問を感じ始めていた。そして、かれ は全人類のための愛と云ったような、教授の 言動を一笑するが、同時にまた、ゾーンこそ 偽善にすぎないとストーカーをなじる。教授 は、「部屋」を爆破するのをあきらめ、爆弾を 解体する。そしてやがて、三人は「部屋」の 敷居をまたぐこともせず、ただ黙して坐り込 む…… はたして「部屋」とはなんだったろ うか。
−−かれらは揃ってバーに戻って来た。そ こでは妻が、足の動けない娘とともに、スト ーカーを待っていた。

 わが家に帰って、ストーカーは「あんな作 家や学者ども、何がインテリだ!………骨折 り損だった」と絶望的に叫ぶ。「少し眠ったほ うがいいわ」とやさしくいたわり続ける妻。
 そして、ストーカーの妻の独白がつづく、 「母は云いました。"ストーカーよ、呪われた 永遠の囚人なのよ。ろくな子供は生れない" って。……でも好きになったんだから仕方あ りません。……私たちって、そういう運命だ ったんです。」


(1981年日本初公開時パンフレットより)  --> パンフレット図書館へ -->

[スタジオ/製作年] モスフイルム1979年

[スタッフ]
脚本…アルカージー・ストルガツキー
   ボリス・ストルガツキー
監督…アンドレイ・タルコフスキ一
撮影…アレクサンドル・クニャジンスキー
音楽…エドゥアルド・アルテミエフ
美術…アンドレイ・タルコフスキー
詩 …フョードル・チュッチェフ
   アルセニー・タルコフスキー

MOSFILM/1979
SCREENPLAY ・・・・・・・・・・・・・・・ARKADY STRUGATSKY
BORIS STRUGATSKY
DIRECTOR ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ANDREI TARKOVSKY
DIRECTOR OF PHOTOGRAPHY
・・・・・・・・・・・・・・ALEKSANDR KNJAZHINSKY
MUSIC・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・EDUARD ARTEMJEV
ART DIRECTOR ・・・・・・・・・・・・・・ANDREI TARKOVSKY
POEM・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ FYODOR TYUTCHEV
ARSENY TARKOVSKY

[キャスト]
ストーカー…アレクサンドル・カイダノフスキー
ストーカーの妻…アリーサ・フレインドリフ
作家…アナトリー・ソロニーツィン
教授…ニコライ・グリニコ
CAST
STALKER ・・・・・・・・・・・・ALEKSANDR KAJDANOVSKY
STALKER'S WIFE ・・・・・・・・・・・・・・・ALISA FRE I NDLIKH
WRITER ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ANATOLY SOLONITSYN
PROFESSOR ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ NIKOLAI GRINJKO

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ]35mm / スタンダード / カラー
[上映時間] 2時間40分
[VIDEO・DVDなど] DVD=RCCF-1002,IVCF-20 VIDEO=IVCB-7010 アイ・ヴィー・シー

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