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ストライキ
СТАЧКА

[かいせつ]
 労働者と資本家の衝突をテーマに、ストライキが自然発生的な抗議から組織的な闘争へと発展するプロセスを描いた作品で、エイゼンシュテインの長篇第一作。
 1924年、それまでプロレトクリト劇場で演出や装置の仕事をしていたエイゼンシュテインは演劇に限界を感じて、プロレトクリトのメンバーとともに初めて長篇劇映画の制作に取り組んだ。これはもともと、「政治的支配にむかって」と題する、七篇からなる構想の一篇"ストライキ"のみが独立作品として撮られたものである。映画史上に初めて登場した集団による革命劇である。
 主要な数人を除いては素人の労働者を出演させ、ニュース映画を観るような生々しい映像世界を展開している。また、画面相互の間に強いショックを生む様に編集して激しい動的リズムと緊迫感を醸し出す「アトラクション(吸引)のモンタージュ」を実践したことでも知られており、ラストの、牛の屠殺と労働者の虐殺を対比的にモンタージュしたシーンは有名である。
 エイゼンシュテインはこの作品で生涯の名コンビとなるカメラマン、記録映画出身のエドゥアルド・テイッセと初めて組んだ。ティッセは深い遠近感のある立体性を創造して、シャープで迫力ある画面作りに成功している。
 1969年、ドミトリー・ショスタコーヴィチの音楽をつけたサウンド版が製作された。

[あらすじ]
 映画は、第一章「工場は見たところ平静だ」、第二章「ストライキの発端」、第三章「工場は静まりかえった」、第四章「ストライキは長期化した」、第五章「弾圧のための挑発」第六章「鎮圧」で構成されている。
 20世紀初頭の帝政ロシア。舞台は、ある大きな製鉄工場。そこは一見、平穏に見えたが、苛酷な条件で働かされている労働者には不満が高まりつつあった。工場の支配人は、工場内にスパイを潜ませる。スパイがストを協議する労働者達の動静を探っている。一方、民主労働党(共産党の前身)は闘争への呼びかけを強めた。
 そんなある日、一人の労働者が道具箱を開けると、高価な検尺器が盗まれていた。それは彼の何週間分もの賃金に匹敵する。彼は職工長に報告するが、逆に泥棒扱いされ、悩んだすえ、工場内で首を吊った。遺書で真相を知った仲間の労働者達の怒りが遂に爆発。全工場がストライキに突入する。
 労働者は持ち場を離れ、機械はとまった。工場は、死のような沈黙に包まれる。森では集会が開かれ、労働者たちが要求をまとめている。しかし、資本家側は、警察と軍隊による弾圧をたくらみ、機会をうかがっている。
 労働者は要求が認められないことを知ると、ストライキを続行した。だが、長びくストライキに、労働者たちにも疲労の色が目だってくる。
 経営者はその機会に、浮浪者の一団を扇動して酒の倉庫に放火させ、労働者たちの略奪行為を挑発する。
 ついに、軍隊が出動し、激昂する労働者達と衝突する。デモ隊に向けられたホースからは、容赦なく水しぶきがほとばしリ、倒れた労働者を騎兵の馬蹄が踏みつけにする。周囲は虐殺された労働者の死体で埋まった。こうしてここの労働者もまた、他の工場都市の労働者たちと同様に、血の弾圧にさらされたのである。

[スタジオ/製作年] ゴスキノ第一工場+プロレトクリト・1924年製作
              
(サウンド版、69年製作)

[スタッフ]
脚本:ワレーリー・プレトニョーフ
    セルゲイ・エイゼンシュテイン
    グリゴリー・アレクサンドロフ
    I・クラヴチュノフスキー
監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン
撮影:エドウアルド・テイッセ
美術:ワシーリー・ラハリス
音楽(69年版):ドミトリー・ショスタコーヴィチ

[キャスト]
労働者(ストライキ委員):アレクサンドル・アントーノフ
活動家:I・クリュークヴィン
労働者:ミハイル・ゴモ□フ
職工長:グリゴリー・アレクサンドロフ
スパイ:マクシム・シトラウフ
警察署長:I・イワノフ
浮浪者の"王様":ボリス・ユルツェフ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / モノクロ / サイレント
[上映時間] 1時間21分(=サウンド版 24駒/秒)
[日本公開年・配給](サウンド版)1970/11/24・「母」「ストライキ」全国普及委員会
[VIDEO・DVDなど] VIDEO=IVCV-3076S アイ・ヴィー・シー

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