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大尉の娘
КАПИТАНСКАЯ ДОЧКА

[かいせつ]
 文豪A・S・プーシキンが1836年に書いた小説『大尉の娘』を原作とする映画化作品。この原作は、1773〜75に起きた"プガチョフの乱"を題材にしたもので、レールモントフの『現代の英雄』やトルストイの『戦争と平和』の原型ともなった歴史小説であり、この作品を映像として語るのは至難の技といわれた大作である。これを、あえて映画化に踏み切ったカプルノフスキー監督は、その前歴である演劇経験を十二分に生かして随所に独自の雰囲気を盛りあげ、ロマンとスケール豊かなドラマ作りに成功した。
 カプルノフスキー監督は、その製作姿勢をすべて一貫して文芸作品の映画化に努力していることが、作家として大きな特色であり、第1作「メキシコ人」に次ぐ、「大尉の娘」は、その第2作である。
 主人公グリニョフには、「スペードの女王」のオレグ・ストリジェノフ。マーシャには美貌のイヤ・アレーピナが選ばれ、ブガチョフにはS・ルキヤーノフが貫録と迫力をみせて熱演している。


[あらすじ]
 エカテリナ女帝時代のロシア。青年グリニョフは、地方貴族の家に生まれ、両親の愛情の中で奔放な性格をみせながら成長した。そして17才の時、近衛士官よりも、実戦部隊の兵士となるはうが将来のためだという父の意思によって、硝煙の臭いする辺境の要塞べロゴールスクヘ、少尉補として赴任した。
 グリニョフは、忠実な老僕サヴェーリチと共に出発した。吹雪の旅路で、彼は道に迷ったところを、容貌魁偉な巨漢、身なりの貸しい百姓に救われた。この百姓は、ドン・コサックの脱走兵で、後に農民反乱の首領となるエメリヤン・プガチョフだったが、グリニョフは道案内の礼に、彼に兎の毛皮を与えて別れた。
 ベロゴールスクの要塞に着ボたグリニョフは、要塞長ミローノフ大尉一家と親交を結び、その一人娘マーシャの美しさに惹かれた。若い二人はすぐにお互いの愛を認め合った。だが、マーシャに愛を拒絶されていた士官シワープリンが、グリニョフを激しく憎悪、遂に決斗事件をひき起こした。
 この事件をきっかけとするかように、突然プガチョフを首領とする農民反乱が勃発し、反徒たちは、要塞を攻め、一瞬のうちに勝利をおさめた。ミローノフ大尉夫妻や、主だった士官たちは惨殺され、グリニョフは、雪の旅路で、プガチョフに兎の毛皮を与えたことが幸いして、辛くも一命を助けられる。マーシャは、神父に被護された。
 一方、裏切って反徒側に加担したシワーブリンは、プガチョフに任命されて要塞長になった。グリニョフはサヴェーリチと一諸にオレンブルグに逃れ、将軍に報告し、ベロゴールスク要塞奪回を提案するが、将軍はプガチョフの勢力を恐れて応じなかった。グリニョフは、 マーシャを救おうと単身要塞へ引き返し、プガチョフにその助命を願った。プガチョフは、グリニョフの雄々しい誠実さを愛し、求めに応じてマーシャを助けてくれた。グリニョフは、プガチョフとの不思議な友情と別れてから、反乱鎮定のために各地に転戦した。
 ようやく戦いは終った。グリニョフとマーシャにも幸福が訪れるかにみえた。だが、反徒の一味として捕えられたシワーブリンは、グリニョフをプガチョフの密偵だと法廷で偽証し、そのためグリニョフはシベリヤ送りの罪に問われてしまう。マーシャはグリニョフを救おうと都にのぼった。彼女は女帝に直訴して、絶望にうちのめされていたグリニョフを救った。
 2人は再ぴ結ばれた。幸福はもう逃げていかないであろう。この誠実な幸福の向うがわで、プガチョフのモスクワにおける処刑が決まった。大群集の中で、処刑台にひかれて行くプガチョフに、グリニョフはあつい友情の眼ざしをおくるのだった。

[スタジオ/製作年] モスフィルム・1958年製作


[スタッフ]
原作:A・S・プーシキン
脚色:N・コワルスキー
監督:V・カプルノフスキー
撮影:E・グリードフ

[キャスト]
グリニョフ:オレグ・ストリジェノフ
マーシャ・ミロノア:I・アレーピナ
プガチョフ:S・ルキヤーノフ
イワン・クズミチ:V・ドロフェエフ
ワシリーサ・エゴロヴナ:I・ザルービナ

[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / 黒白
[上映時間]

[日本公開年・配給] 
日本海映画

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