■サスペンス・チェーホフ・ルポルタージュ 犯人を追跡するサスペンス、あるいはチェーホフ劇 を連想させる、互いに結び合わない愛のドラマ、ある いはリアリズムに徹して、極めて正確に当時の状況を 再現し、しかもそれを語り手の子供時代の回想を通し てもの語るルポルタージュ−−と、ゲルマン映画に独 得の、幾重にもジャンルが交錯した映画手法は観客に 尽きない興味を湧きたたせる。 ■脚光浴びるアンドレ・ボルトネフ 田舎町のエキセントリックな女優を好演したニーナ・ ルスラーノワ、情熱的な理想主義者ラプシンを演じた 精悍なアンドレイ・ボルトネフ(彼はこの映画で一躍 有名になり、日ソ合作「オーロラの下に」の主演に抜 擢された)、悩み多きインテリのジャーナリストを演じ た二枚目、故アンドレイ・ミローノフ他の見事な俳優 アンサンブルには、演劇を志したこともあるゲルマン 監督の演出の妙が光っている。 |
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