ソ連が実戦兵器と正規軍数万を動員して第2次世界大戦を 再現する最大級の70ミリ戦争スペクタクル
[かいせつ] ソ連が総力をあげて映画史上再現不可能な壮大なスケールで描く、今世紀最大の戦争スペクタクル。'43年の独ソ戦から'45年のベルリン陥落までを5部作約8時間にわたって描いている。当時のソ連の公称で、構想20年、製作年数6年、スタッフ500人、使用フィルム4万フィート、登場人員約3万人、戦車1万台、戦闘機1千機、大砲150門、ジープ1千台という、まさに空前絶後のスケールで製作された戦争映画である。
スターリン、チャーチル、ルーズベルトのそっくりさんによる首脳会議も、まるで歴史の再現のようで見応え十分。日本での上映では、3部作にまとめられて公開された。 |
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[あらすじ]
第1部 クルスク大戦車戦・ドニエプル運河大作戦
1970年作品。
独軍が軍事力の1/3を投入した「クルクス大戦車戦」から、ムッソリーニの失脚とナチスによる救出、不可能と思われた「ドニエプル河強行渡河作戦」までを忠実に再現する。
スターリングラードで大敗を喫したドイツ軍は、1943年2月クルスクで攻撃をしかけるべく、タイガーを主力とする大戦車部隊を送り込む。それに対して、ソ連軍も反撃を開始し、燃料が切れ無力になった敵戦車部隊を次々に爆破し勝利する。
一方、イタリアでは国王派に幽閉されたムッソリーニをドイツ秘密部隊が奪還し、ドニエプル河強行渡河作戦ではソ連軍は多くの犠牲者を払いながらも作戦を成功させる。
181分
第2部 大包囲撃滅作戦
1971年作品。
沼地と森林に被われた白ロシア突破の「バグラチオン作戦」は独軍の意表を突いた。強硬な戦いは自国を滅ぼすと危機感を持った一部のドイツ将校たちはヒットラー暗殺計画を立てた。作戦会議室で、爆弾の入った鞄がヒットラーの足元に置かれた。しかし偶然は独裁者に味方する。やがてソ連軍はポーランドの国境を突破した。冒頭の瓜二つの役者たちによるスターリン、ルーズベルト、チャーチルの首脳会談もまるで歴史の再現のようだ。
125分
第3部 ベルリン大攻防戦・最後の突撃
1972年作品
無数の探照灯に目眩まされた独軍に向けてソ連の戦車が火を吹く。まっ赤に染まった闇の中の白い光が炸裂する。皮肉にもこの凄絶な光景は美しい。ヒットラーの56才の誕生を祝う記念映画上映会場へソ連軍ベルリン突入の報が届いた。地下鉄のトンネルを砲車が走り、議事堂が炎上する。試写室に愛人と取り残された鼻髭の顔は気弱な初老の男のそれだ。第三帝国を夢見た独裁者が我がままで臆病な男の素顔に変身してゆく様は戦慄的だ。
160分 |
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[スタジオ/製作年] モスフィルム・1970〜72年製作 |
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[スタッフ]
総監督:ユーリー・オーゼロフ
脚本:ユーリー・ボンダリョフ
オスカル・クルガーノフ
ユーリー・オーゼロフ
撮影:イーゴリ・スラブネビッチ |
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[キャスト]
ミコライ・オリャーリン
ラリーサ・ゴルーブキナ
ミハイル・ウリャーノフ |
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[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 70mm 35mm / シネマスコープ / カラー
[上映時間] 7時間48分
[VIDEO・DVDなど] 絶版(VIDEO & LD=にっかつ)
VIDEO=IVCV-64031〜64036(全6巻) DVD=IVCF-41(3枚組)発売元 : アイ・ヴィー・シー 販売元 : ビームエンタテインメント(発売日:1998/11/25) |