ロシア映画社 > アーカイブス > パンフレット図書館 ソヴェート映画史−七つの時代
カレン・シャフナザーロフ
КАРЕН ШАХНАЗАРОВ
 1951年生れで、モスフイルムの最も新しい
世代の一人である。モスクワの国立映画大学
監督科でイーゴリ・タランキン監督(「セリョ
ージャ」「チャイコフスキー」「昼の星」他)に
師事し、75年に卒業した。在学中は、タラン
キン監督のもとで俳優との共同作業を好きに
なるように徹底的に教えこまれ、それは当時
の2本の習作からもうかがえると言われる。
しかもそれらの1本はかれのオリジナル脚本
の映画化、もう一本は「ティル・オイレンシ
ュピーゲル」によるミュージカルであり、早
くもユニークな才能が注目された。
 卒業制作は現代ソビエト文学の代表的作家
ワシーリー・シュクシンの同名の「短篇の映画
化で「歩幅を広げよ、マエストロ!」。これは
73年から、モスフイルムで俳優グループの助
手として実地を学びながら、1年半かかって
撮った作品である。
 長篇第一作は「善良な人々」(79)。原作は
レオニード・ゾーリンの戯曲で、58年、リヴ
ォーフ・アノーヒンが軍中央劇場で演出した
ものである。この映画は第10回モスフィルム
若手コンクールで優れた喜劇として特別賞を
受けた。ある研究所の抜目がない、ひどく無
教養な所員が、教授会のメンバーを巧みにご
まかして学位論文を採用させ、あげくは研究
所長の地位を得てしまう。善良な人々はほん
の親切心から、かれの企みに加担する誤ちを
おかし、それに気づいて赤面するが、その時
にはもう、この老獪な主人公にとりこまれて
にっちもさっちもいかないと言う諷刺コメデ
ィである。(脚本/レオニード・ゾーリン、撮影/
ウラジーミル・シェフツィク、美術/K・スチ
ェパノフ、N・ポリャコフ、音楽/M・ミンコ
フ、主演/ゲオルギー・ブルコフ)
 つづく長篇第二作は「ジャズメン」(83)。
ほかにA・ボロジャンスキーとの共同シナリ
オ「レディはパートナーを招く」(イワン・キ
アサシヴィリ監督 80)がある。
 また、シャフナザーロフ監督のもう一つの
顔は作家、雑誌『十月』に「新しい飛行船」
(79)、雑誌『青春』に「急使」(82、レーニン
・コムソモール賞受賞)を発表している。


▼「善良な人々」から
アレクサンドル・ボロジャンスキー
АЛЕКСАНДР БОРОДЯНСИЙ
 1944年、ウクライナの生れ。キエフの建築
技術学校を卒業し、塗装工、設計者などを経
て、73年、国立映画大学シナリオ科を終了。
諷刺とグロテスクで観客を湧かせた喜劇映画
「アフォーニヤ」(75、ゲオルギー・ダネーリヤ
監督)のシナリオが第二作である。おもな作
品に、「ジャズメン」と同じシャフナザーロフ
監督との共同で喜劇「レディーはパートナー
を招く」(80)、ほかに冒険喜劇「2人を見よ!」
(81)、共同シナリオでミュージカル「魂」
(81)、最近の話題作には諷刺喜劇「交通警官」
(82)がある。


ウラジーミル・シェフツィク
ВЛАДИМИР ШЕВЦИК
 1937年生れ。75年、国立映画大学撮影科を
卒業。シャフナザーロフ監督とは卒業制作以
来のコンピで全作品の撮影監督を勤めている
が、ほかに短篇「冗談」(ガリーナ・エルコワ
監督)(82)がある。「ジャズメン」ではなぜか
主題歌もうたっている。


コンスタンチン・フォロステンコ
КОНСТАНТИН ФОРОСТЕНКО
 1936年生れ。モスクワの建築大学出身。61
年より、モスフイルムの美術ピューローで働
いており、これまでに大作「戦争と平和」を
含む100本のセットや装置作りを手がけてい
る。「清涼な空の男たちの遊び」(78)、「古風な
コメディ」(78)、「理想的な夫」(80)、「余りの
切行」(82)などの美術監督。


アナトリー・クロール
АНАТОЛИЙ КРОЛЛ
 現在、モスクワの軽音楽アンサンプル"ソ
ヴレメンニク(現代入)"の指導者で、映画音
楽の作曲は初めて。1943年生れで、チェリャ
ビンスク音楽学校出身。58年から、幾つかの
楽団を指導して、国際コンクールにも入賞し
ている。




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編集紀
「ジャズメン」はカレン・シャフナザーロフ
の第二回監督作品です。作者が若いゆえにそ
れだけこの作品に賭ける夢も大きいのではな
いでしょうか。シャフナザーロフ監督を日本
で初めて紹介するわたしたちも、この若々し
く、楽しいミュージカル・コメディを多くの
方に味わっていただきたいと大きな期待を抱
いています。
プログラムのために原稿をお寄せ下さった
各氏に感謝いたします。(N)
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