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無断転載を禁ず -P23- 「惑星ソラリス」パンフレット(1977年6月18日発行)より転載

は草と一緒に持って行きますよ」
父「ああ,ああ,もちろん持ってい
け……」
 アンナ,草むらに去る。
● 草むらの斜面
 アンナ,涙を拭っている。
● 
 火に書類を投げ入れるクリス.燃
える書類の中にハリーのポートレー
トが見える.
● 客間
 机の上に本,小石,上が入った金
属製の箱が置いてある。クリスは箱
に蓋をし,それを持ってテラスヘ出
て行く.テラスの前を横切って走る
馬.

● 星空
 クリスのカプセルを表わす小さな
点が,だんだん明るく大きく輝やき
始める。
モダルドの声「ケルヴィン,用意は
どうだ?」
クリスの声「準備完了.モダルド!」
モダルドの声「心配は無用だ.無事
を祈る.皆によろしく!」
クリスの声「発進はいつだ?」
モダルドの声「もう飛んでるよ,ク
リス.元気でな!」
● カプセル
 ガラス越しのクリスの顔が揺れる.
クリス「ソラリス・ステーション!
ソラリス・ステーション! 何とか
してくれ!安定を失いそうだ。こち
ら,ケルヴィン.受け入れ,頼む!」
 窓越しに雲が流れる。ステーショ
ンが現われ,だんだん近づいてくる。
海の上にステーションの姿が見える。
● ステーションのロケット発射室
 投光器が点滅する.換気口が煙を
吸い取る.リュックサックを取りあ
げ,基地を眺め廻すクリス,何かに
つまずく.
クリス「(叫んで)皆,どこだ!こ
こか? 客だ!」
 クリスは手をついて倒れ,起き上
がると,靴の紐を結び直す。リュッ
クサックを持ってステエションの入
口に近づく.扉が開き,クリスは廊
下に出る.

● ―階の廊下
 クリス,左右の壁にステーション
の計器がびっしり並んだ直線廊下を
じっと見まわす。計器の電線がショ
ートし,火花が飛んでいる.静かに
歩き出し,左右に計器が並が円形の
廻り廊下に出る.廊下は物が散らば
り,雑然としている.くスナウト博
士〉と書いた札のある扉に近づく.
クリス「(ドアを少し開けてみなが
ら)スナウト博士?」
 廊下の奥にサルトリウスの姿.ク
リス,足元に転がってきたボールを
足で止める.ドイツ語の歌声が聞こ
える.ボールを取りあげたクリスは
少しドアが開かれたスナウトの部屋
を見る.歌っているスナウトの姿.
クリス「(ドアのところで)スナウト
博士ですか?」
● スナウトの部屋
 全体に雑然とした部屋.
クリス「(部屋に入りながら)わたし
は心理学者ケルブィンです.どうも
わたしが来るのをご存じなかったよ
うですね?」
 スナウト,あとずさりし,頭でハ
ンモックを隠すようにしながら椅子
にかける。
クリス「無電は受け取ってますね?」
スナウト「そう,そう,勿論……」
 クリスはスナウトに近より,ハン
モックに手をかける。スナウトは椅
子から立ち上がってクリスをハンモ
ックから押し離そうとする。それを
さえぎるクリス.
クリス「一体どうしたんですか?」
スナウト「(戸日の方へ行きながら)
失礼……失礼……」
クリス「ギバリャンはどこですか?
サルトリウスはどこに?」
スナウト「(煙草を喫もうとライタ
ーを持ち)サルトリウスは自分の部
屋です。ギバリャンは死にました」
クリス「どうして死んだんですか?」
スナウト「自殺です……」
クリス「(うろたえて,顎に手をや
りながら)失礼ですが……わたしは
ギバリャンを知ってますが,決して
そんなことは……」
スナウト「ギバリャンはいつもひど
い憂欝状態にありました……(ライ
ターを神経質にカチカチ鳴らせたり,
ライターの炎を吹き消したりしなが
ら)こんな無秩序になってからはね
…….そうだ,あなたは休んで下さ
い.風呂に入ってね.部屋はどれで
も使いなさい.そして,1時間後に
来て下さい」
クリス「(かすかに揺れているハン
モックを肩ごしに振り返りながら)
わたしはギバリャンに……。いやサ
ルトリウスに会いたいのだが」
スナウト「もう少しあとの方がいい.
彼はドアを開けてくれないかもしれ
ないから.上の実験室にいますよ」
クリス「何か異常なことが起こって
いるようですが……,もしかすると
……」
 スナウト,驚いてクリスを見つめ
る.視線をそらすクリス.
スナウト「ケルヴィン博士……(ク
リスを戸日の方に引き寄せるように
連れ出して,ハンモックを気にしな

がら話を続ける)いいですか.そう
……,1時間したら来て下さい。ど
うぞ,行って休んで下さい.今は我
々はサルトリウスを含めて三人です.
サルトリウスはわたしと同様に写真
でご存じですね? わたしでもサル
トリウスでもない,何か変わったも
のに出っくわしても,努めて自制す
ることですよ」
クリス「(戸日のところで)何かに会
うって?」
スナウト「わかりません.ある意味
ではそれはあなた次第ですから」
クリス「幻覚のことですか?」
スナウト「いや,襲ったりしないで
下さい…….覚えてて下さい」
クリス「何をですか?」
スナウト「ここは地球じゃないんで
す.夕方か夜,また来て下さい…….
いや,明朝の方がいい!」
● ハンモック
 寝ている少年の大きな耳.
● 廊下
 リュックサックを持ったクリス,
ドアに近づいて行き,それを押し開
く.
● クリスの部屋
 ビデオのブラウン管のついた本棚,
作り付けのベッドがある.クリスは
部屋を見廻し,中に宇宙服がぶら下
がっている鏡のある戸棚にリュック
サックをしまい,そして部屋の中を
一瞥して出て行く.
● 一階の廊下
 クリス,辺りを眺め廻しながら歩
いている。<人間>という題の子供の
絵を貼った <A・ギバリャン> の名
札のあるドアに近づき,そっと開く.

● ギパリャンの部屋
 雑然と散らかった内部.いろいろ
なものがかけてある壁.壁ぎわのブ
ラウン管に <C・ケルヴィンヘ> と
いう書き置きが貼ってある。クリス
は書き置きをはずし,ブラウン管の
前に置いてあるビデオのスイッチを
入れる。本の上にピストル.ブラウ
ン管にギバリャンが映る.
ギバリャン「クリス,こんにちわ!」
 驚いて,あとずさりするクリス.
ギバリャンの声「まだ少し時間があ

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