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グルィモフ監督の日誌から
第21日目  
 プロデューサーのゲスレルは大変な苦労をしている。金がまた足りないのだ。夕方ある脚本家がやって来て監督に会わせろと言った。彼は自分のコマーシャルフィルムの脚本と劇映画の脚本を持参して来た。一晩だけは泊めてやった。この手の脚本家というのもいるのだ。モスクワからやって来て夜の11時に私に会いたいなどという輩だ。彼が正気でこういう事をしているなら非難すべきではない。私自身似たような事をするんだから。明日は朝から編集をして撮影は昼からにする。毎日13−14カット撮っておりだんだん映画が形をなしてきた様に思える。峠にさしかかった。登場人物達の性格があらわになってきたのだ。大事なことは今日私自身が自分の作品ができつつあると認識したことだ。
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