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グルィモフ監督の日誌から
第24日目  
 今日はいろんなおもしろいことがあった。私は撮影開始前に全てが順調かどうかチェックする為にマクサーコヴァの化粧室に行った。何の問題も無さそうに見えたのだがマクサーコヴァは私に何か問いたげな視線を向けたので私は驚いた。私が化粧室から出ると彼女は私の後を追って来て「どうも何かおかしい」と言った。彼女が言うには女優とメーキャップ係の気分がぴったり合うのは簡単ではない。私は彼女の言い分もメーキャップ主任のザキーロバの言い分も理解できる。私にとって重要なことは両者の間の気分が何が何でも一致してもらわなくてはならぬという事だ。そうさせるのは私の任務だ。何故ならスタッフやキャスト達の相互理解は撮影現場で不可欠なものであるからだ。今日の夕方までには事が大きくならぬ前に全てが解決したのでとても嬉しかった。メーキャップの主任も担当者もマクサーコヴァの欲するところを察知し理解したので全てうまくいった。  昨日はラッシュを画面で見、ちょっとがっかりした。私は自分の作風とは違ったものを感じたのだ。奇妙なことだが、かつてのソ連時代の傑作とされる映画の持っていた壮大な叙事詩的手法を自分のラッシュフィルムの中に見出してしまったのだ。それが悪いと言うのではないが私の美学に反することは確かだ。もっともラッシュを見ている時私は自分が映画の中で二つの世界を描くのだということを失念していた。ひとつは私の美学に合致し私の欲するところのものが存在する「奥様」の世界と、そうではない農奴達の世界の二つを。そして私がラッシュで見たのは農奴達の世界のシーンだったのだ。
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