ロシア映画社>特別企画>サンクト・ペテルブルグを巡る映画紀行>文学に描かれたサンクト・ペテルブルグ

トルストイ
晩年のトルストイ(1910年レーピン画) 青年時代のトルストイ(1849年)
 トルストイ(レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ1828〜1910)は、ロシアの名門地主貴族の4男として、モスクワ南部の領地ヤースナヤ・ポリャーナで生まれました。2歳の時に母を、9歳の時に父を失い、親戚に引き取られて、フランス人やドイツ人の家庭教師の教育を受け、貴族の社交に必要な趣味・教養を十分に与えられました。富裕な地主貴族として安穏な生活を過ごせる境遇でしたが、相次ぐ肉親の死と環境の変化や他人による養育などは、感受性豊かで楽天的な一方、瞑想的で内省的な一面をもつ性格をつくりあげることになりました。
 1844年、16歳の時にカザン大学(東洋語科アラビア・トルコ語系列)に入学。しかし名門貴族でかつての県知事の孫でもあるトルストイを社交界が放っておかず、夜会、劇場めぐりと勉強どころではありませんでした。これがたたって、学年末試験に落第。ならばと、法科に転じてみたものの、型にはまった勉強に満足できる性格でもなく、「大学は学問の墓場」と見切りをつけ、1847年に大学を中退します。一時、生地ヤースナヤ・ポリャーナに戻って、領地の農奴の生活改善を試みたりしますが、これも果たせず、モスクワで上流社会の放蕩な生活に染まってしまいます。
 1851年、砲兵隊に勤務する長兄の誘いで、カフカス(コーカサス)に赴いたトルストイは、この地に魅せられ、現地で砲兵旅団に入隊します。ここで彼は、カフカス砲兵旅団の士官候補生としてチェチェン人討伐戦に参加するかたわら、自伝小説『幼年時代』(1852)を完成し、さらに2つの続編『少年時代』(1854)、『青年時代』(1856)を次々に書きあげまし27歳のトルストイ(1856年ペテルブルグにて)た。これらの作品は、少年が成長の過程で経験する貴重な思い出を修辞や感傷にたよらずに描き、発表と同時に文壇から喝采を持って迎えられました。さらに、この時期、クリミア戦争(1853〜56)に従軍し、その戦争記録ともいうべき『セバストポリ物語』(1855〜56)で、忍耐強く勇敢な兵卒たちの姿と同時に戦争の過酷で非人道的な現実をありのまま描き出し、国家的栄誉を得るところとなりました。また、原始的でルソー的理想を実現しているかに見えるコサックたちと接した体験は、のちの傑作『コサック』(1863)を生み出すことにもなりました。
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