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イーゴリ・タランキン監督の言葉

左よりスモクトノフスキー、プリセツカヤ、タランキン監督
 芸術家を主人公にした《芸術についての》映画というものは、実に難しい、 と私は信じている。
 そのうえ、私が取り組んだ「チャイコフスキー」は、偉大な音楽家であり、世界で最も著名な芸術家ピョートル・イリノイッチ・チャイコフスキーが主人公なのである。
 製作にあたっては、山ほどの困難がつきまとうのは覚悟のうえであった。
 その中でも、一番難ししかったこと、 といえば、それはチャイコフスキーという人の単なる生涯の生活を描くものではなく、創造する精神的な作業と、その内面の秘密を描こうとしたことから始まっている。とにかく、私としては、音楽というものを、視覚的なものに翻訳しなければならなかったのだから。
 非具象芸術を、視覚化し、映像に移し変えるということは、なんと難しいことであろうか。
 この映画「チャイコフスキー」は、あらゆる国で上映される。私としては、ソビエトの観客と同様に、 日本の、アメリカの、ニュージーランドの、インドの、アルゼンチンの観客のみなさんにも、同じように、理解していただけるものを作らねばならなかった。これもかなり難しいことの一つである。
 チャイコフスキーについて、彼の繊細で劇的な、そして多分に悲劇的な音楽について語るとき、人は、彼と同じような作曲家の立場になって考えねばならない。そうすることによって、チャイコフスキーという偉大な音楽家が、急に、近づきやすく、親しみやすくなることにお気づきだろう。
 映画「チャイコフスキー」は、楽しいものでなければならないし、それと同時にシリアスなものでなければならず、もちろん陳腐なものであってはならないと確信している。
 チャイコフスキーの音楽の持つ無限の深さを備えた思想を、ぜひみなさんに伝えたい、と考えたのが、私が最初に映画「チャイコフスキー」を作ろうとしたときの動機だった。
(1970年、初公開時のイーゴリ・タランキン監督のコメントより)
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