サンクト・ペテルブルグを巡る映画紀行>歴史と文化の都…>20世紀初めのロシア

 物語は、1908年、帝政ロシアの首都ペテルブルグに始まります。舞台の幕が下り、拍手は鳴りやもうとしませんでした。が、観客の熱狂も美術監督のプラトンには空しいものでした。彼の気持はこの時、演劇を離れ、何か未知の新しい世界を求めていたのです。
 そんな折りに、プラトンは宝石商から陳列棚に飾る等身大のろう人形のマネキンの製作を依頼されました。
 プラトンは、若く美しかったが、貧しい家の娘で結核を病むアンナ・ベレツカヤをモデルにマネキン作りに取り組みます。しかし、命が消えいらんとする少女と向かいあっていたプラトンの胸にいつしか、自らは芸術を通して神の競争者であるという幻想が生まれていきました。自分は、死をも超越した芸術を作り出しているのだと……。
 時は過ぎて、1914年。かつての華やぎも失せ、仕事の注文もなく、悶々とする日々。そんな時、プラトンは久方ぶりに、実業家グリリオ氏から新居の装飾の注文を受けました。豪壮な邸宅に案内されたプラトンは、そこでグリリオ氏の妻マリヤを紹介されます。謎めいた眼差の若き婦人こそ、誰あろう、自分がかつてモデルにしたあのアンナ・ベレツカヤではありませんか。
 やがてプラトンにも死の影が忍び寄ってきます……。
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