サンクト・ペテルブルグを巡る映画紀行>歴史と文化の都…>第1次大戦

 監督は、1985年モスクワ映画祭でグランプリを受賞した炎/628のエレム・クリモフ。ゴルバチョフ政権後からソビエト崩壊の直前まで全ソ映画人同盟第一書記としてソ連映画の先頭にたって改革を指導し続けた人物です。
 エレム・クリモフ監督は「ロマノフ王朝の最期」について、こう語っています。「われわれは専制政治崩壊の歴史的な必然、その致命的な病を、それらの当然の帰結としてのラスプーチンの政治舞台への登場を、ドラマチックに描こうとしました。ラスプーチンは疑いもなく、狡猾・貪欲、淫蕩な人物でありましたが、特異な人間として周囲を震憾させました。権力を手にしたアヴァンチュリストである彼は、極度に嫌われたり、哀れっぽく見られたりするかと思うと、突然、どういうわけか人の心を引付けるところがありました。人民の"思想と希望"の化身に思われたのです。だが、彼の行動の非現実性、まことらしからぬ茶番はロシア人民にとって血の悲劇に変ります。ラスプーチンは人民には無縁な、敵対する人物であったのです」と。
 撮影にあたっては、当時の雰囲気を最大限に再現するため、古都レニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)に現在もなお豪華絢爛たる宮廷政治の名ごりをとどめて保存されている宮殿や貴族の館が使われました。映画に登場してくる建造物はすべて、当時、様々な事件があった正真正銘の「現場」です。また、しばしば挿入される当時を伝えるニュース・フィルム、記録フィルムが作品に圧倒的な迫力と一層の充実感を与えています。
 撮影監督のレオニード・カラーシニコフは「我々は当時の現実の雰囲気に最大限近づくよう努力しました。そのため、さまざまな事件の正真正銘の現場で撮影を行いました。古都ペテルスブルグがこの映画の重要な場となります。例えば、かつての国会、アレクサンドロフスキー宮殿、ユスーポフ公爵邸、ツァールスコエ・セローなどで撮りました。また、時代の雰囲気を伝えるために多くの記録フィルムを挿入することにしたのです」と話しています。
 原題は「苦悶」。ソビエト本国では、種々の事情により、数年のあいだ陽の目を見ずにいた作品です。
 主演のラスプーチンには、「持参金のない娘」などでおなじみの名優アレクセイ・ペトレンコ。二コライ2世にアナトリー・ロマーシン、皇后アレクサンドラにヴェルター・リーネ。その他「持参金のない娘」の母親役で絶賛を博したアリーサ・フレインドリフがヴィルボワ公夫人に扮し、絶妙の演技をくりひろげています。
 混沌とした時代を背景としたドラマチックでリアルな脚本を担当したのは、セミョーン・ルンギンとイリヤ・ヌシノフのコンビ。壮大華麗な美術はシャフカート・アブドサリーモフ、セルゲイ・ヴォロンコフ。音楽は現代ソビエト最高の作曲家アルフレード・シニートケが担当し、重厚かつ叙情的な曲で作品をドラマチックに盛りあげています。1983年のヴェネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞しました。
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