[かいせつ]
1960年カンヌ国際映画祭最優秀賞、
サンフランシスコ国際映画祭監督賞
ロンドン国際映画祭監督賞
テヘラン国際映画祭銀メダル(監督賞)
新鮮でたくましく端正な映像美の中にあふれいずるような抒情。戦争というきびしい現実の中にとらえられた帰休兵と銃後の人たちの問に交わされる美しい善意と人情の香り。あまりにも有名なソビエト映画の名作。グリゴーリー・チュフライ監督の代表作で出世作、"雪どげ"時代の象徴的作品でもある。
主演のウラジーミル・イワショフは全ソ国立映画大学在学中に、ジャンナ・プロホレンコはモスクワ芸術座附属演劇学校在学中に抜擢されてこの作品で映画デビュー。ともに初々しく自然な演技で忽ち国際的なスターとなった。
(原題「兵士のバラード」) |
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[あらすじ]
果てしなくつづく麦畑とそれを貫くひとすじの道。そこに息子の帰りを待ちわびる母がたたずんでいる。
息子のアリョーシャは戦場で2台の敵戦車を炎上させた勲功により、6日間の休暇をもらった。アリョーシャの心は故郷へとはやるが、戦火の道中は一層長い。途中、空襲にあったり、妻のもとに復員する傷病兵を助けたりしているうちに休暇はまたたく間に過ぎ去っていく。そしてやっと乗り継いだ軍用貨物列車のなかで、アリョーシャは少女シューラと出会った。列車の中の枯草の片隅で束の間、二人は心を通わせる。ちぎれる雲と白樺の林と雨の色を窓に映して、列車が進む。そして少女との別れ。アリョーシャが、戦友から頼まれた事をはたし終えて母のもとにたどりついた時、休暇はもう、帰りの時間を残すのみだった。
母と抱きあい、わずかな言葉を交わしただけで、彼は麦畑の道を戦場へ引き返した。その後、母はいまも麦畑の傍で帰らぬ息子を持ち続けている。 |
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[スタジオ/製作年] モスフィルム・1959年製作 |
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[スタッフ]
脚本:ワレンチン・エジョフ
グリゴーリー・チュフライ
監督:グリゴーリー・チュフライ
撮影:ウラジーミル・ニコラーエフ
エラ・サヴェーリェワ
美術:ボリス・ネメチェク
音楽:ミハイル・ジーフ |
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[キャスト]
アリョーシャ:ウラジーミル・イワショフ
シュラ:ジャンナ・プロホレンコ
アリョーシャの母:アントニーナ・マクシーモワ
大将:ニコライ・クリュチコフ |
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[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / モノクロ
[上映時間] 1時間27分
[日本公開年・配給] 1960/11/29・東和
[VIDEO・DVDなど] VIDEO=IVCV-64049, DVD=IVCF-309 / RCCF‐1018 アイ・ヴィー・シー |