[「ソビエト映画の全貌91」パンフレットより転載]
[かいせつ]
第2次大戦中、ナチスの手によって住民ともども焼き払われてしまったハトィニ村(そうした村の数は白ロシア全体で628にも及んだという)をめぐる厳粛な史実を追った、白ロシアの作家アレシ・アダモーヴィチの小説「ハトィニ物語」をモチーフに、鮮烈かつ透徹した映像で、叙情的にまたドキュメンタリックに、ファシストの非人間性や苛酷な運命に翻弄される少年の魂の内面を描いたエレム・クリモフ監督の代表作。そのシリアスなテーマと圧倒的な迫力は内外で大きな反響を呼び起こした。
少年フリョーラ役はモスクワの高校生アリョーシャ・クラフチェンコが演じて絶賛を博し、同じくこれがデビューとなったレニングラードの美術学生オリガ・ミローノワが初々しい演技を見せる。また、集団虐殺シーンには白ロシアの村人たちが多数参加し、記憶をたどりながら当時を再現することとなった。 |
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[あらすじ]
1943年。ドイツ軍に占領されていた白ロシアの小さな村。フリョーラは砂山から掘り出したライフル銃を手に、周囲の反対にも関わらずパルチザン部隊に加わった。彼はキャンプ地の深い森の中で金髪の美少女グラーシャと出会った。二人は折からの空爆を避けて、フリョーラの家へ逃げ込む。しかし、家の中は空だった。周囲を被う死の気配を察した二人はあわててかけ出した。裏庭には夥しい死体の山。恐怖と戦標で気も狂わんばかりのフリョーラは、さらに同じ村でただ一人生き残った瀕死の村長の口から、子供がパルチザンに加わったから村全員が皆殺しにあったのだ、と告げられ衝撃をうける……。
翌日、食糧調達に向かう部隊に同行するフリョーラ。またしても銃火が襲う。何とか難を逃がれ彼は近くの村へもぐり込んだ。しかし、この後、起きたのは筆舌に尽くしがたい事実だった……。 |
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[スタジオ/製作年] モスフィルム+ベラルシフィルム・1985年製作 |
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[スタッフ]
原作・脚本:アレシ・アダモーヴィチ
脚本・監督:エレム・クリモフ
撮影:アレクセイ・ロジオーノフ
美術:ヴィクトル・ぺトロフ
音楽:オレーグ・ヤンチェンコ |
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[キャスト]
フリョーラ:アリョーシャ・クラフチェンコ
グラーシャ:オリガ・ミローノワ
コサチ:リュボミラス・ラウツァヴィチュス
ルベージ:ウラダス・バグドナス |
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[ジャンル] 長編劇映画
[サイズ] 35mm / スタンダード / カラー
[上映時間] 2時間23分
[VIDEO・DVDなど]
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