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カラマーゾフの兄弟
БРАТЬЯ КАРАМАЗОВЫ
The Brothers Karamazov

[かいせつ]
 '69モスクワ国際映画祭審査員特別賞(金賞)
 「カラマーゾフの兄弟」(1876〜80)は文豪ドストエフスキーの最後の、そして最大の傑作と云われ、激しい愛と真実に迫る道を極限まで描いた、人間心理の大絵巻となっている。
 イワン・プィリエフ監督にとって、『白痴』(58)『白夜』(59)につづいて、これが3本目のドストエフスキー作品の映画化だったが、完成間近で急逝、代って主演のミハイル・ウリヤーノフとキリール・ラヴロフがその後の撮影を引き継ぎ完成させた。
 カラマーゾフの3人の兄弟をモスクワのワフタンゴフ劇場の名優ミハイル・ウリヤーノフ、レニングラード・ボリショイ・ドラマ劇場のキリール・ラヴロフ、モスクワの現代人劇場の若手アンドレイ・ミヤフコフが扮して息づまるような心理劇をみせるほか、演劇・映画のベテランによる華やかながらダイナミックで緊張した演技の応酬もみものである。 撮影は名手セルゲイ・ウロンスキー。ロシアそのものを感じさせる広大な原野のシーンが印象的である。

[あらすじ]
 物欲と淫蕩の塊フョードルと、その3人の腹違いの息子たち−野性的な情熱家でしかも神の世界を志向する長男ドミトリー、無神論者で虚無的な次男イワン、純真で信仰心厚い三男アリョーシャと、またフョードルが白痴の女に生ませたスメルジャコフらのカラマーゾフ家の人物を縦糸に、アリョーシャが傾倒している僧院のゾシマ長老、堕落した女だが、心の奥底に清純さを失っていないグルーシェンカ、ドミトリーの婚約者で、聡明だが自尊心の強いカテリーナらの人物を横糸にして、愛憎はなはだしい、複雑な人間関係が展開する。そしてグルーシェンカをめぐるフョードルとドミトリーの葛藤、イワンとカテリーナの密かな愛、父親に対する子供たち各々の敵意が、やがて起る父親殺しのドラマの心理的背景となっていく。
 その厳しい愛憎劇のはて、ついにドミトリーは父親殺しの罪を着せられ、シベリヤに流刑となり、グルーシェンカもまた、かれの後を追う。

[スタジオ/製作年] モスフイルム・1968年製作

[スタッフ]
原作:フョードル・ドストエフスキー
脚本・監督:イワン・プィリェフ
撮影:セルゲイ・ウロンスキー
音楽:イサーク・シワルツ
美術:スタレン・ヴォルコフ

[キャスト]
ドミトリー・カラマーゾフ:ミハイル・ウリヤーノフ
イワン:キリール・ラヴロフ
アリョーシャ:アンドレイ・ミャフコフ
フョードル:マルク・プルードキン
グルーシェンカ:リオネッラ・プィリェワ
カテリーナ:スヴェトラーナ・コルコシコ
スメルジャコフ:ワレンチン・ニクーリン

[ジャンル] 長編・劇映画
[サイズ] 35mm /シネマスコープ / カラー / 2部作
[上映時間] 3時間44分
[VIDEO・DVDなど] 絶版(VIDEO=東宝/VHD=日本ビクター)
 VIDEO=IVCB-7025【字幕版】ビームエンタテインメント(発売日:1998/12/18)
 IVCV-60050,IVCV-60051 上下2巻 ビームエンタテインメント(発売日:1998/04/21)
 DVD=IVCF-48(2枚組) ビームエンタテインメント(発売日:1998/12/18)

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