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「クロイツェル・ソナタ」パンフレット(1989年11月11日発行)より転載

映画とトルストイ
ミハイル・シヴェイツェル
14
●トルストイ
●復活
 ……私にとってトルストイは、汲めどもつ
きぬ情報源であり、私ども映画人は、これに
学ばなければならないと私は思う。かれの与
える教訓は、それほど多様であり、賢明であ
る。人間を描くとき、トルストイは、その人
の行動、感情の発露を詳細に描写することに
よって、その性格、精神生活を含めて、極め
て包括的に描くのである。このことは、私ど
もがかれの作品を映画化するに当たって最も
ありがたい点である。トルストイ自身による
演出、つまり主人公たちが、どう行動すべき
であり、舞台構成がどうあるべきかは、作品
中のいたるところに表現されており、私ども
監督の仕事としては、作品を究明し、それに
従いさえずればよい、ということである。
 トルストイはその作品の中で、人間につい
てとても多くのことを語っており、また、そ
こには無数の普遍的な人生の公式が導き出さ
れているので、かれには常に学ぶことができ
るのである。しかも、私にとって重要かつ大
切なのは、全作品を包括してのトルストイで
あって、私は自分の能力に応じて学ぶのであ
る。私が何をしていようと、いかなる問題に
取り組んでいようと、殆どいつも身近にある
のはトルストイの本である。

 ……大作家の創作手法というきびしい試練
を経た現実を、正確に再現するためには、そ
の作家の作品が構築される仕組みを理解し、
あばきだすことが不可欠である。しかし、そ
のためには、演劇理論や映画化の法則を知っ
ているだけでは不十分で、その作家独自の法
則を把握し、体得しなければならない。
 トルストイにおけるこの法則とはなにか?
かれ自身が述べているように、かれが最も愛
する主人公は真実である。したがって、トル
ストイの作品を映画化する場合、かれの、真
実に対するこの愛を基礎としなければならな
い。そして私どもが真実の意味を、リアリズ
ム作家トルストイが教えたように理解するな
らば、映画制作もまた、人生そのものが構築
されるときの法則に従って、極めてリアリス
ティックに行わなければならない、という制
限を受けるのである。

 ……トルストイは、最も正確に表現された
明確な結論を、厳しく要求する。かれの人差し
指は常に正しい方向を示していて、私どもが
たどり着くべき目標へ導く。かれの作品は実
話と錯覚するほど客観性に富み、意図すると
ころなど何もないかのように見える。それは、
まるで人間の心の記録、人生の記録を思わせ

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