From Matumoto City
ロシア映画社>松本支局発 モスクワ白タク回想録

その2
写真は映画「こねこ」(1996年製作)より これも、もちろん、モスクワ出張中の出来事で、私は市の中心から北方約30分、ホテル・コスモスに投宿していた。まだソヴィエト時代で、国が誇りとする"ソ連邦国民経済達成博覧会場"のまん前にそのホテルはある。
 ある夜、我社のモスクワ駐在所長のお招きで、市の中心部にあるホテルのレストランで夕食をご馳走になった。辺りはクレムリンにも程近く、共産党本部や国防省などの公館が建ち並び、黒塗りの高級大型車がひっきりなしに走っている。
 食事を終え、路上でタクシーでも拾おうと物色していた。その時、黒塗りの大型車"ジグリ"から一人の男が近づいてきて、「どこへ行くんだ?」と聞いてきた。一瞬"怖さ"で多分、硬直したであろうと思うが、とにかく、「ホテル・コスモスへ帰るところだ」と告げると男は、「今、ボスは食事中で、当分戻ってはこない。良ければどうぞ」と言う。恐怖心もあったが、「いくらですか?」と聞くと、さすが高級官僚の専属運転手ともなればプライドもあるのだろう。「写真は映画「こねこ」(1996年製作)より私は"白タク"を商売にしている訳ではない。それはあんたが決めることだ」ときた。
 ウォッカで気も大きくなっていた私は、多少の冒険心も手伝って、人の良さそうな男の言われるまま高級車の後部座席に滑り込んだ。
 乗ってびっくり驚いた。何と車の大きいことか、どんなにふんぞり返っても運転席の背もたれまで全く足が届かない。そんなこんなで党の幹部にでもなった気分で無事ホテルまでのひと時を過ごし、降り際に10ドル紙幣を渡し礼を言って別れたのだった。
<< 戻る <<
>>
次へ
>>
ほぼ毎日酔いどれ映画祭日記 | 今日のロシア映画 | 西日本 | 服部美術館
掲示板 | 資料室 | 特別企画 | ロシア映画社 | チグラーシャ・クラブ | 電網店

Copyright(C)2003 RUSSIA EIGASHA
外資系企業・旅行・ホテル・ブライダルのお仕事はこちら
『運命の仕事』がここにあります。-テテ株式会社-
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送