サンクト・ペテルブルグを巡る映画紀行>歴史と文化の都サンクト・ペテルブルグ

冬のチェリー ЗИМНЯЯ ВИШНЯ
レンフィルム1985年製作

[スタッフ]
脚本:ウラジーミル・ワルツキー
監督:イーゴリ・マスレンニコフ
撮影:ユーリー・ヴェクスレル
美術:ベラ・マネーヴィチ
音楽:ウラジーミル・ダシケーヴィチ

[キャスト]
オリガ:エレーナ・サフォーノワ
ラリーサ:ニーナ・ルスラーノワ
ワジーム:ヴィターリー・ソローミン
ヴェニアミン:
    アレクサンドル・レニコフ
ゲルベルト:イヴァル・カルヌィン
35mm / カラー/スタンダード
上映時間 1時間30分
[ものがたり]
 オリガのアパート。二人は、そこで、いつものように逢瀬を重ねていました。男は帰ろうとして、ゆっくりと衣服を身に付けています。ワジームは妻帯者で、立派な家庭があっりました。一方、オリガには、隣室で眠っている、5歳になる息子アントンしかいませんでした。
 同じアパートに住む女友達ワーリャのパーティーに招かれたオリガは、そこで、36歳で独身の社会学者ヴェニアミン、外国貿易省に勤めるエリート技師ゲルベルトと出会いました。皆がお茶を飲んでいる時、家庭や結婚をめぐる議論が巻き起こり、オリガは「家庭とは故郷のごとき存在であるべきで、そうでなければ全く意味が無い」と発言します。
 翌朝、オリガが働く科学技術研究所の入口で、ヴェニアミンは単刀直人に彼女に結婚を申し込みます。このプロポーズは余りに唐突だったので彼女は返答を避けました。
 そして、ワジームと過ごす週末。まるで、おとぎ話のように幸福な時間。湖畔の別荘での愛する人との心の通いあいと感動的なまでの心の高揚……。しかし、不自然で不安定な二人の関係が根本から変わることはありません。「一緒にいることが幸せならば、どうして、ずっと幸せであってはいけないの」とオリガは言います。"二重の生活"という問題を我が身から遠ざけてきたワジームは、その言葉を聞いた途端に表情を曇らせました。
 言いしれぬ孤独感に苛まれるオリガはヴェニアミンヘ電話をしてみました。喜ぴ勇んだ彼は早速、聞借人よろしく身のまわりのものき携えて彼女のアパートヘ乗り込んで来ます。しかし、オリガの提案する"契約"に基ずく同居生活は、ヴェニアミンが抱く"甘い同棲"のイメーシとは程遠いものでした。結局、意気消沈の彼は、すごすごと逃げだしてしまうのでした。
 そんな折、オリガの前にゲルベルトが現れました。白いベンツを乗り回す彼は物腰も優雅で洗練されているし、アントンヘの配慮もおろそかにしません。結婚相手としては最適の男性に思えます。
 ワジームは偶然にも、オリガとゲルベルトのデートを目撃してしまいました。ついにワジームは、誰を、そして何を失おうとしているのかを悟ったようです。ゲルベルトの手からオリガを取り戻した彼は、家庭を捨てることを約束し、愛を誓うのでした。
 オリガの熱望するもの――社会的体面や体裁などを捨てて愛のために生きること―― それを男たちは理解したのでしょうか……
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