サンクト・ペテルブルグを巡る映画紀行>歴史と文化の都…>大改革の時代 ПРОЩАНИЕ С ПЕТЕРБУРГОМ レンフィルム1971年製作 [スタッフ] 脚本：アナトーリー・グレブネフ 監督：ヤン・フリード 撮影：オレーグ・クホワレンコ 美術：ミハイル・クロトキン 衣裳：タチアナ・オストロゴルスカヤ 音楽：Ｖ・テスチャコフ 演奏：レニングラード国立フィルハーモニー 　　　　管弦楽団 指揮：Ｍ・ボロバッツ [キャスト] ヨハン・シュトラウス：ギルト・ヤコヴレフ オリガ：タチアナ・ベードワ 伯爵夫人：タチアナ・ピレツ力ヤ レイブロック：ワシーリー・メルクーリエフ 大公：イーゴリ・ドミトリエフ マクシモフ：パーベル・カドチニコフ 興行主：Ｓ・カルノビッチ＝バウラ 35mm / カラー/シネマスコープ １時間38分 オリガ役 タチアナ・ベードワ 　ドストエフスキー不朽の傑作に挑んだレフ・クリジャーノフ監督の文芸大作「罪と罰」(70)で可憐なヒロイン、ソーニヤで知られることになった清純スター。 　早くから芝居が好きで，レニングラードにある〈若い観客〉劇場に足を運んだが、後にその劇場に加入するとは夢にも思わなかったという。友人の勧めもあり、無我夢中で受けた試験にパスし、劇場所属のスタジオで学んだ。「罪と罰」の大役を得たのはこの頃で、マリービンの「黄金の錠」で初舞台を踏んだばかりだったという。この後もイォシフシフ・ヘイフイッツ監督の「サリュート！マリア」(71)、グレープ・パンフィーロフ監督の「デビュー」(71)と話題作の映画出演が続いた。舞台の方でも〈若い観客〉劇場の「ハムレット」に出演、「罪と罰」で共演したゲオルギー・タラトルキンのハムレットに対し、オフェーリアを演じた。 ヨハン・シユトラウス役 ギルト・ヤコブレフ 　スターはしばしば思いがけず誕生する。主人公ヨハン・シュトラウス役に難しい注文をつけたヤン・フリード監督の期待にみごと応えたこの人もその１人。バルト三国の一つラトビア共和国の首都リガにあるアカデミー・ドラマ劇場の若い俳優として活躍中だったが、大きな役はこれが初めといっていいくらいで、いわぱ抜てきも同然。舞台のほかにテレビにも出演、どういうわけかドイツ人役が続いた。 　歴史上の有名人を演じるのは俳優にとって必ずしも容易ではないが、ヨハン・シュトラウスの場合、ヤコブレフは実際に楽器を演奏できる才能を要求されたという。そしてその才能に恵まれた彼はオーケストラを指揮しつつ自らバイオリンを弾くという難役をこなして監督を満足させた。 大公役 イーゴリ・ドミトリエフ 　同時期に製作された音楽映画「フランツ・リスト｣(71)にも出演、やはリ身分高い役で顔をみせている。堂々たる風貌がいかにも大公にふさわしい。 　1927年生まれ。1948年にはモスクワ芸術座付属研究所を修了。ロシア連邦共和国功労芸術家の称号を持つ実力派。 　主な出演作品には「静かなるドン｣(1957〜58)、「開かれた処女地｣(1960〜61)、「ハムレット｣(1964)、フリード監督の「緑色の箱馬車｣(1967)などがある。 伯爵夫人役 タチアナ・ピレツカヤ 　1928年生まれ。レニングラード舞台でデビュー、レニングラード・ミュージカル・コメデイ劇場、レニングラード・レーニン・コムソモール劇場などに所属した。 　映画出演は1947年以来で、第１回作品は「先駆者の道｣(1947)。彼女の演じる女性はどれもが鮮明なイメージを持ち、表情豊かで情緒のあるものばかり。出演作には「公女メリー｣(1955)、「母｣(1956)、フリード監督の「緑色の箱馬車｣(1967)などがある。 監督ヤン・フリード 　本名はヤコプ・ボルホビッチ・フリード。1908年生まれ。1932年、レニングラード演劇大学演出科を卒業すると、国立映画専門学校の演出科に入り、1938年に同校を卒業、舞台・映画の演出家として腕をみがいた。1939年、チェホフ原作の「外科手術」を映画化。その後、しばらくは演劇界で活躍。クラスノヤルスク、ノボシビリスク、レ二ングラードなどの劇場で演出を担当した。大戦の勃発で戦線に従軍、一時創作活動を中段したが、1952年にカムバック、以来、シェークスピアの「十三夜｣(1954)、歴史的革命映画「バルト海の誉れ｣(1957)、有名なロシアの女優ワルワーラ・アセンコワの生涯を描いた「緑色の箱馬車」(67)のなど、さまざまのジャンルで幅広く活躍した。 < 戻る < >> 次へ >> ほぼ毎日酔いどれ映画祭日記 | 今日のロシア映画 | 西日本 | 松本支局 | 服部美術館 掲示板 | 資料室 | 特別企画 | ホームページへ | チグラーシャ・クラブ | 電網店

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